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「さて、行きましょうか。審神者様」
「あっ、まっ待ってくださっ!」
慌ててこんのすけの後ろを追いかけるそのシーンはシュールな物だった。
喋る狐を追いかける女性。
まるで記者たちが砂糖に群がる蟻のように群がりそうな話である。
「…大丈夫だといいんですけどね…」
男性は、一つ言葉を零しその場を後にした。
*
「ね、ねぇ、こんのすけ…」
「はい、なんでしょうか見習い様」
「…ここ、ちょっとこわいね…」
足をがくがくと震わせながら先陣を切るこんのすけにAはそう言った。
「そうでしょうか」
こんのすけは、今まで幾度とブラック本丸を目にしてきたためか、特に何とも思わない。
しかし、おかしなものだ。この見習い様は武装探偵社の出だと言っていたのに、怖いだなんて。
今まで幾度と死を目にしてきたと思うのだが。
こんのすけは尻尾を揺らしながら考えていた。
正直言ってこんのすけは、Aを侮っていた。しかし、矢張りAは武装探偵社の出なんだと痛感する出来ことがあった。それまで、やく、30秒。
「ね、ねぇ…あと、どれくらい?」
「もう少しです、見習い様」
ギシ、ギシ、ギシ。
そんな足音がAの恐怖を更に煽る。
ついに耐え切れなくなったAは涙目でこんのすけにどれくらいかと聞いた。
あと、20秒。
「ほ、本当に神様何ているの…?気配がしないぃ…」
「いますとも。そこの曲がり角を右に曲がりましたらいます」
こんのすけはその小さな手で、曲がり角を指した。
あと、10秒。
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十六夜 - 続き気になりすぎて夜しか寝れません!!!更新待ってます! (2022年8月7日 20時) (レス) @page14 id: 5a52c0f3ec (このIDを非表示/違反報告)
雪女 - 続きが気になります (2021年12月21日 20時) (レス) id: ed2686deb5 (このIDを非表示/違反報告)
雪花 - とても面白かったです! 続きを待ってます! (2021年12月17日 16時) (レス) id: cd1c3bc336 (このIDを非表示/違反報告)
ナナナオ - 更新頑張ってください! (2020年8月23日 21時) (レス) id: 206c89cdd5 (このIDを非表示/違反報告)
ナナナオ - 与謝野妹,,,恐るべし! (2020年8月23日 21時) (レス) id: 206c89cdd5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:しゅわ。 | 作成日時:2020年2月13日 20時