明日への光2[黒]

71.横山side ページ21

体が冷えて、思うように力が入らない


このままやとまた熱が出て、あの苦しみが繰り返される


勝手に抜け出しといて、助けてほしいなんて都合が良すぎる


そんなのはわかっていた・・・だけど、頭に浮かんでくるのはいつもメンバーの顔で思い出すと会いたくなる


病院から連絡がいって俺がいなくなったのは知っているはず


みんな、怒ったかな。こんな俺にあきれたかな・・・


そう思いつつも、手を伸ばす先には携帯があって、気づくとすばるに電話をかけていた


すばるは俺を怒ることはせず、すぐに行くからと言った


だけど、すばるたちが来るまでがものすごく長く感じた


静かな部屋に一人床に倒れ、動けずに寒さで手が震える


不安で呼吸ができなくなる気がした


ずっとこのまま放ってかれたら死ぬんかなとか考え始めた頃、玄関の方で音がしてバタバタと足音が聞こえた


ほんまに来てくれたんやと安心したのもつかの間、病院に戻ると言われた

それだけは嫌や・・・

こんな状態でわがまま言ってる場合じゃないけど、せめて今日だけはここにいたいと必死で訴えた


ヒナは自分が濡れてしまうのに、俺をぎゅっと抱きしめてくれる


そこまでして優しくしてくれるのに、だんだんと頭が真っ白になってきて何だか息も苦しくなってきた


あの病室に戻りたくない


今日はみんなと一緒におりたい


そう思うだけやのに、何でそんな簡単な願いが叶わへんの


体の怠さに加えて上手くいかない現実に悲しくなって、気づくと涙が流れていた



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