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「絶対嘘じゃん」
「そうそう、お化け館に好んで出入りする人あんま居ないと思うよ」
音楽室にいたピアノイケメン、横原先輩の事を2人に話すとことごとく否定で返ってくる。
「本当なんだって、」
超塩顔の俳優顔のさ、と話を続けるも理咲も智咲も笑い飛ばしながら「Aほんと話が上手いよね」と言った。
居たのに、本当に。
横原先輩の顔面を思い出しては自分で頷く。
黒髪に目元に口元に……身長だって高かった。口悪いけど。
会おうと思えば今日だって、多分。
放課後になると同時に教室を早足で抜けて、西館の音楽室を探す。
「…、‼︎」
今、確かに聞こえた。綺麗に研ぎ澄まされた旋律が。
音の聞こえる方に足を運ぶと、そのノクターン調の音楽はまたもや
「………ふふ、」
やっぱり綺麗だ、横原先輩のピアノ。
「おい盗聴魔」
「わっ」
と思ったらその横原先輩は、私の横から顔を覗き込んでいた。
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作者名:霰恋 | 作成日時:2021年8月13日 19時