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第一訓 ページ1

「いらっしゃいませ」

「おう、嬢ちゃん。いつもの一つ頼むわ」

「お刺身定食ですね!かしこまりました」

普段と変わらない日常。

刺激的な出来事は起こらずとも

常連さんとお話しして、

それなりに楽しく過ごしていた。

そんなよく晴れた日のことだった。

「きゃっ!!やめてください!お客様」

店の奥の席からバイトの子が叫ぶ。

また、天人かなんかかな?
あーあ。今日は店長いないのに。

「どうなさいましたか?お客様」

「Aさん!!」
バイトの子が涙目で此方をみる。

「んだよ。この子の上司?」
問題を起こしたのは天人ではなかったようだ。

身なりは普通の男二人組だが、
廃刀令のこのご時世に刀を持っている。

怒らせると厄介かもしれない。

「いやぁー。この子がちょっと触っただけでここまで騒ぐからさー。赤っ恥だよ俺ら」

「ウチの店では、そういうサービスは行なっておりません。他のお客様にも迷惑なので

お引き取り願いませんか?」

「は?ふざけてんの?難癖つけて
お客様追い払うなんて名誉毀損だよ?」

「そうだぜ!慰謝料払ってもらわねーと」

「貴方達に払う義務はございません」

店長だったら、お金払ってでも追い返せって
そう言うかも知れないけど。

この人達に、私たちの稼いだお金渡したくない

「へぇー。強気だねぇ、お嬢ちゃん?」
「まあ、元からこうするつもりだったし、」

男は剣を鞘から抜いた。
『元から』ということは
強盗目的でここに入ったのか。

「警察に連絡して」

バイトの子に指示をして
後ずさりをしつつ木刀を取りに行く。

ここから歩いて数分のところに
真選組の屯所がある。

普通に考えれば、あの子はそこに行くだろう。
数分、耐えるだけだ。大丈夫

第二訓→



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作者名:Lantana | 作成日時:2020年3月9日 17時

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