幼馴染 【染谷勇次郎】

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(貴方side)





な ん で こ う な っ た





いや、覚えてますよ？？



いつも通り店番してたら勇次郎サン、店に入ってきましたよね



無理矢理私を立たせまして『え？出掛ける日って明日だよね？？』って戸惑いまくる私の腕を無理矢理引っ張って何も言わずに走り出して





たどり着いた先は何故かファミレス



ここまでは100歩……いや、550歩譲って分かるよ



いややっぱ分かんないわ、店番どうしろっての。さっきおじさんに連絡入れたけどさ



………で







「はい、口開けて」







何で目の前にいる勇次郎はチョコレートパフェスプーンに乗っけて私にあーんしてんの？？



チョコレートパフェ好きだけど食べたいけど







「え、なんなの？」



「なにって、はい。口開けて」



「いやあの、一口あげるからまた私に奢れと？？」



「今日は僕の奢り」







あなた、あれですよね



会ってわりとすぐに私にクレープ奢れって言ってきた人ですよね







「何隠してんの？」



「せっかくの厚意なんだから受け取りなよ」



「せめて会話してよ」



「はい、あーん」



「会話」







私の声なんか聞こえないとでも言うように、私が見たことないような今初めて見るキラキラ笑顔炸裂。







「あそこの男子カッコよくない…？」



「どこどこ！？……お、おぉ…イケメンスマイルやば」



「でも…カレカノだよね…あれ…」







お、お姉さん方！？違います！！違いますよ！？



いつもと違いすぎる営業スマイル全開男子と疑いまくる女子とで何故カレカノに見える！？







「だって。カレカノに見えるらしいよ、僕ら」



「ち、違うじゃん？ていうかないじゃん？だからこういうのやめよ？」



「…なんで？」







私にパフェを食べさせることは諦めたらしく勇次郎はスプーンを置き頬杖をつきながらまっすぐに私を見る。



いくら幼馴染で気を遣わない関係の勇次郎と言えど男子に見つめられることなんか普段なくて落ち着かない。



視線を合わせたら何かが終わって負けそうな気がして全力で視線をそらす。







「ねぇA」



「ちょちょちょい待っ_______



「…こっち見ろよ」



「っ！？」







いきなり耳元で囁かれた低い声に思わず耳を手で押さえてバッと振り向けば勇次郎は少し不満気な表情を浮かべていた。




　

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