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(貴方side)
私に何を求めて…?
……あ、でも……もしかして
「……お互い自分でいっぱいいっぱいなんじゃない?」
「「……」」
「勇次郎は愛蔵がぶつかってきやがるってことだし、愛蔵は勇次郎が動きを無視してきやがるってことなんでしょ?」
「「うん/おう」」
「勇次郎は愛蔵がどんな動きするのか把握すれば無視って思われるような動きにならないだろうし、愛蔵も勇次郎の方を気にしながらすればぶつからないんじゃない?」
さっきまでの勢いは消え、急に真顔になって考え込む二人。
……アドバイスに…なった…のか…?
これで…合ってる…?思ったこと言っただけなんだけどな……
「「……なるほどね/な」」
なってるっぽい…?
とりあえず……よかった…のか
「んぐっ!?」
口の中に広がる、さっきまで食べていた甘さと香ばしさ。
何が起きたのかと思えば、勇次郎が私の口にクッキーを押し込んだらしい。
それも、食べかけのクッキーを。
……いいけどさ
マジ?こういうのやっちゃいます??
「…ちょっと公園行く」
「…俺も行くわ」
「ついてこないでよ。何?やっぱりAの家に来るまでもつけてたんでしょ。キモ」
「はあ?違えよ!」
「あ…ちょい待って!」
立ち上がり玄関に向かいながらまた口喧嘩を繰り広げ始めた二人に、勇次郎に無理矢理詰め込まれたクッキーを急いで食べ終えてから声をかけ引き止める。
今日コンビニで買ったばかりの、冷蔵庫でキンッキンに冷やしていたペットボトルのスポーツドリンク二本とおにぎり二つ。
それとスポーツタオル二枚。
明日学校に持っていくつもりだったけどいいや
スポーツドリンクは保冷袋に入れておにぎりとタオルはビニール袋に入れ、未だ口喧嘩をしている二人の顔の間に袋を挟ませる。
私が何かを渡すことが予想外だったのか、揃ってポカンとした顔で私を見てくる二人。
「はーい、熱中症は気をつけて練習してきてくださーい」
「え、これくれるの?」
「ん。ささいだけど、どーぞ」
「「ありがと/さんきゅ」」
『声を被せてくるな』とまたまた口喧嘩を繰り広げ始めた二人。
またかと若干呆れながら、二人の背中を押して家から追い出すことに成功した。
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若葉 - あぁぁぁぁ!!待ってましたぁぁ!私の好みにドストライクです! (2022年11月19日 16時) (レス) @page28 id: 7981b3d9d1 (このIDを非表示/違反報告)
朔藍(プロフ) - ひよっこさん» 大丈夫ですよー!ご心配ありがとうございます。 (2022年8月3日 19時) (レス) id: 7586c4e066 (このIDを非表示/違反報告)
ひよっこ - 掛け持ちして体、特に頭は大丈夫ですか‥?パンクしていませんか (2022年8月3日 17時) (レス) id: 91bebd90a7 (このIDを非表示/違反報告)
朔藍(プロフ) - ひよっこさん» 私はどっちも好き…ですね……曲を聴きながら書くことが好きなんですけど、好きな曲が一筋縄ではいかなかったり切なかったりするストーリーの恋愛曲が多くて。そういうのを聴いてると自然と物語もそっち寄りに…って感じです… (2022年8月1日 17時) (レス) id: 7586c4e066 (このIDを非表示/違反報告)
ひよっこ - 朔藍さんは甘々とシリアス どっちがお好きですか、私は甘々と溺愛系が好きです。 (2022年8月1日 15時) (レス) id: 91bebd90a7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:朔藍 | 作成日時:2022年7月30日 20時