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(貴方side)
学校で何度かすれ違ったりしたことはあったけれど彼は基本、一人か女の子たちに囲まれている。
特定の親しい男の子は柴崎君ぐらいしか分からない。
でも、昨日の男の子は明らかに知り合い同士だった。
タメ口で、たった一言で私が全く分からないなにかが彼には伝わっていたことを考えれば、親族の線が一番近い気がした。
こうやって考えたり、ひよりんに聞いたりするのもあんまりよくないと、なんとなく、分かってる。
……分かってる。
けれど、考えずにはいられない。
『うーーん』と少し眉を寄せ、手を口元に持っていき考える仕草をしたひよりんは、思い付いたように『あっ!』と声を上げた。
「なんかね、すっごい大きいおうちで…歌舞伎とかやっとるおうちでね…
あと、弟君がいた……気がする。なんかね、緑っぽい髪の毛で……」
『えっとね……』と、もっと言葉を探すひよりん。
けれどもう、
記憶の中の昨日の男の子とリンクした気がする。
彼より少し年下っぽい深い緑色の髪の男の子。
あの男の子は勇次郎の弟君か。
「ご、ごめん!こんぐらいしか……やっぱりココア買ってこようか!?」
「え、い、いいよ!?すごいたくさん情報もらったよ。ありがと、ひよりん」
その言葉を言うと、険しい顔やいかにも『悩んでます』という顔だったひよりんは表情を和らげた。
いつもの可愛い笑顔を向けてくれる。
「あ、ひよりん。今日は朝練なかったの?陸部」
「今日はなかったんよ〜でも朝何キロか家の周り走ってきたから大丈夫!」
「ま、まじか。すご……」
……朝に数キロ走ってから学校に来た、と
今は7時40分。
……ひよりん…あなた、一体何時に起きてるの…
昨日もバイトあったのだから、想像しただけで大変そう。
しかも、県外から来て親元を離れ1人暮らし。
「……私がひよりんにイチゴオレ買ってこようか?」
「なんで!?」
「いつもお疲れ様と癒しをありがとうのお礼の印!」
結局二人で自販機に行って私はひよりんにイチゴオレを買い、ひよりんは私にココアを買ってくれた。
ちなみに、イチゴオレもココアも同じ値段だった。
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朔藍(プロフ) - ハリネコ@サブさん» ハリネコさん!!お久しぶりです!!連載中に頂いたコメントでもすっっっっっごく励まして頂きました本当に感謝感謝すぎる泣泣最高の読者様に読んで頂けて好きになって頂けてこれほど作者冥利に尽きるものはないです泣泣ありがとうございます大号泣 (9月13日 18時) (レス) id: 2d55a4ee9e (このIDを非表示/違反報告)
ハリネコ@サブ - 藍朔さん‼お久し振りです。サブから失礼してますハリネコです!久々に読みたくなっちゃって来ちゃいました笑もう五週目とかほんとにこの作品好きすぎてやばーいいい笑何回読んでも最高です! (9月13日 15時) (レス) @page5 id: 690aee62a7 (このIDを非表示/違反報告)
あーー(プロフ) - 相川あゆさん» ありがとうございます!今更で返信遅くてすみません…続きも読んでくださると嬉しいです!これからもお願いします! (2021年12月31日 16時) (レス) id: 7586c4e066 (このIDを非表示/違反報告)
相川あゆ - 推します (2021年10月22日 7時) (レス) id: 1dc4ab95d2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:朔藍 | 作成日時:2021年10月21日 21時