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(勇次郎side)



『じゃあ、勇次郎君?』と言われたとき。



今まで僕のことを『勇次郎君』と呼ぶ女子は、ファンの人たちか明らかに僕ら目当てで近づいてくるスタッフの人、同年代ぐらいの読モとかだった。



ファンの人がいるということはもちろん嬉しいし好意を持ってもらえるのもありがたいことなのだろう。



でも夢をがむしゃらに必死になって追い続けている今は、そういう目に見えて分かる明らかな好意とかは心の底から『ありがとう』と思って受け取れていない。



むしろそういう女子特有の猫なで声や上目使いは、はっきり言って苦手。





………多分、だからだ



だから、



彼女に『勇次郎君』と呼ばれるのはなんだか嫌だったんだ





初対面の相手に対して僕らしくないことを言っていると分かっている。



でも『勇次郎でいい』と口が勝手に言ってしまった。



彼女の方を見てみれば、顔を(あか)く染めながら俯いていた。



多分こういうことに耐性がないのだろう。



さっきも突然聞こえてきた泣き声や振り返ったときに見えた顔に残る泣き跡に驚いたけれど、そう思ったのとほぼ同時に彼女は顔を紅くさせていた。



その反応を見てイタズラ心がうずいてしまったわけだけど。



頬に触れたときもそうだった。



そういう反応をするなら。







「………ダメ?」



「っ………」







興味本位で首を少したおし、下から彼女の顔をのぞき込んでみる。



さらに顔を紅くさせた彼女が息を呑んだのが分かった。







「ゆ、勇次郎」



「…ふっ……」



「な、わ、笑わないでよー!」







そんなに照れて顔を紅くしながら初々しく名前を呼ばれたのは初めてだった。



紅くなっている顔で少し怒られても全く怖くない。



むしろこんなやりとりが楽しいと思った。



今まで何度も呼ばれてきたはずの名前なのに、言われる相手が変わるだけで受け取り方はこんなにも変わるものなのか。







「僕もAって呼ぶってことでいい?」



「…い、いいよ」







彼女は紅い顔のまま、こくんと小さくうなずく。







「っそうだ!…ゆ、勇次郎とお姉ちゃんはどういう関係なの?」







彼女はこの空気に耐えられなくなったのか話題を変えるように大きな声を上げて問いを投げかけてくる。





……どうしよう、正直に言おうか



 

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朔藍(プロフ) - ハリネコ@サブさん» ハリネコさん!!お久しぶりです!!連載中に頂いたコメントでもすっっっっっごく励まして頂きました本当に感謝感謝すぎる泣泣最高の読者様に読んで頂けて好きになって頂けてこれほど作者冥利に尽きるものはないです泣泣ありがとうございます大号泣 (9月13日 18時) (レス) id: 2d55a4ee9e (このIDを非表示/違反報告)
ハリネコ@サブ - 藍朔さん‼お久し振りです。サブから失礼してますハリネコです!久々に読みたくなっちゃって来ちゃいました笑もう五週目とかほんとにこの作品好きすぎてやばーいいい笑何回読んでも最高です! (9月13日 15時) (レス) @page5 id: 690aee62a7 (このIDを非表示/違反報告)
あーー(プロフ) - 相川あゆさん» ありがとうございます!今更で返信遅くてすみません…続きも読んでくださると嬉しいです!これからもお願いします! (2021年12月31日 16時) (レス) id: 7586c4e066 (このIDを非表示/違反報告)
相川あゆ - 推します (2021年10月22日 7時) (レス) id: 1dc4ab95d2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:朔藍 | 作成日時:2021年10月21日 21時

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