突然出会った王子様 7 【染谷勇次郎】

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(貴方side)





…あれ、私、寝ちゃってた？



あー…ノート書いてたら寝落ちしちゃってたのか



これ、勇次郎に見られでもしたら私、終わるからね、マジで精神的に死んじゃいますから、うん



ガッツリ“勇次郎”って名前書いてるし



でもこうやってちょっとでも吐き出さないと抑えられなくなっちゃうから、これ、めっちゃ有効



ひよりんにほんと感謝だな



……あれ、私、毛布なんて、掛けて寝てたっけ？





ふわりと香ってくるのは、覚えのある匂い。



匂いがするキッチンに視線を向けてみる。





……ん？勇次郎？



あ、もう勇次郎が帰ってくる時間か……ぁああ！？



え！？これ、ノート見られてないよね！？





バンッと勢いよくノートを閉じる。





なっっっんで寝落ちしたの、私！！



せめてノート閉じてから寝なよ！！



っていうか、リビングで書くなよ！！





ぼんやりしていた頭が一気に覚めた。



覚めるどころか若干冷や汗も出てきて心臓バクバク。







「あ、A起きた？おはよ」



「あ、お、おは、よ…」



「夕飯、作ってくれてたやつ温めたけど良かった？」



「あ、うん。ありがと……あ、今更だけど、おかえり」



「ははっ、うん。ただいま」







…これは、セーフ？なのか？



ノート見てたら多分ちょっとは顔に出たりする、よね



……セーフということで、いいのか、これは





変わらず心臓バクバク状態で椅子に座り、夕飯を食べ始める。





……いつもの、勇次郎…とは、なんか、違うような気がしないこともない、ような…



…気のせい？



気にしすぎ？これ



あ"ーーーー、ダメだ、うん。平常心平常心



なんだっけ、素数？素数数えたら落ち着くんだっけ？







「……ねぇ、A」



「な、なに？」



「Aって、好きな人、いるの？」







　

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