lose. ページ23
『腹減った、』
迎えたクロアチア戦。スタメンに入って大勝利を収める...はずだった。なんと、試合前に発熱。コロナのPCRはマイナスだったけど、大事をとって欠場という結果になってしまった。
テレビと、一応タブレットを付けて試合を待ってるけど、腹が減りすぎてどうしようも無い。
西さんのところ行けばご飯は貰えるんだろうけど移したくないし、何より熱でくらくらして動けない。ベッド横のテーブルの上に置いてあった朝の飲みかけウィダーをちょっと吸いながら、またベッドに項垂れた。
時間を増す事に辛さは倍になっていって、枕に顔を沈めながら、あ゛〜とかう゛ぅ、とか辛さを紛らす声を出していた。
寝ちゃった方が楽なのかもしれないけど、それはなんか悔しいし、さすがに試合は見たい。それより腹減った、なんて色んな思考が飛び交っていると、部屋のインターホンが鳴った。辛くて出るのも面倒くさかったけど、さっき清掃員さんだと思って出なかったら監督だったから、一応体を起こして はい、とマスクを付けて出る。
「あ、タケ。具合どう...まぁ良くなさそうやな」
ドアの前に立っていたのは、スタッフのAちゃん。
ちょっと上がらせてもらうよ〜と言いながら部屋に入ろうとするAちゃんを俺は必死に止めた。
『いや、いや待って。なんで居るの？あと移っちゃうよ』
「もうとっくに移ってんねん。私も熱あって会場まで行けないの」
どうやらAちゃんも朝から熱を出していたらしい。俺からかなぁ、すいません。でもさっき熱は下がったらしい。
「さすがにタケ可哀想やし...お腹も空いてる？」
さっき私が西さんに貰ってきたやつ差し入れしたくてって言って紙のお弁当箱を持ってきてくれたみたいで。試合も一緒に見ることになり、俺はしぶしぶ部屋にあがらせた。
『うまい、腹減ってたからAちゃん来た時神様かと思いました』
「そんなに？よかったわ持ってきて。...それにしても、悔しかったやろ」
もうすぐ始まる試合。この間まで一緒に戦ってた人たち、今日朝見に来てくれた人たちがピッチに居る。変な感覚。
『そりゃ悔しい、ですよ。Aちゃんも悔しかったでしょ、生で見れなくて、生で大地くん見れなくて』
あんだけいつも一緒にいるんだからねぇ？大地くんも心配してたんじゃないの？
「なんで大地やねん」
でもLINEは死ぬほど来てるらしい。凄まじい愛。
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瓜田(プロフ) - きなこもちさん» コメントありがとうございます！今気づきました…😢ご指摘ありがとうございます！ (2023年1月26日 16時) (
レス) id: ca6d9e643a (このIDを非表示/違反報告)
きなこもち(プロフ) - とても面白いです！ところで、脇坂選手の名前は康人ではなく泰斗だと思います。いつも更新楽しみにしています！ (2023年1月24日 23時) (レス) @page48 id: 3d1425fc22 (このIDを非表示/違反報告)
瓜田(プロフ) - 里奈さん» コメントありがとうございます！随時受け付けております！ (2023年1月11日 15時) (レス) id: ca6d9e643a (このIDを非表示/違反報告)
瓜田(プロフ) - りんさん» コメントありがとうございます！とっても嬉しいです！！ (2023年1月11日 15時) (レス) @page26 id: ca6d9e643a (このIDを非表示/違反報告)
りん - 素敵な小説ありがとうございます！次の更新が待ち遠しいです〜！ (2023年1月3日 21時) (レス) @page10 id: 914dc3ee26 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：瓜田 | 作成日時：2022年12月30日 9時
