猫が四匹。 ページ6
違う、そんなはず、ない。
だってさっきまで、キラキラの目に、俺を映して。
違う。
「子供もいたはずだ、探せっ。」
その声と動き出した足音を聞いて、
ハッと我にかえり、
相手は一人ではないことを察した。
必死に恐怖を押さえつけていれば、
軋む階段を勢い良くかけ上がってくる音が聞こえてきていた。
逃げなきゃ。
逃げなきゃ、殺される。
死にたくない。
しにたく、ない。
躊躇っている時間はない。
窓を開けて、辺りを確認してから、飛び降りる。
後ろでドアが開けられた音がするのと同時に、
元の姿とは名ばかりの、猫へと変化し、二階から着地をした。
母さんが気になって後ろ髪を引かれるようだが、
逃げろと喚く本能に従い、地面を蹴って走り出す。
「いたぞっっ!!!
やっぱり獣人だったんだなぁ!!!!!!!」
ﾊﾞｧﾝｯｯｯ!!!
怒声と同時に後方からの銃声。
打たれた。
そう理解するとほぼ変わらないうちに足にズクンと、火傷したような熱さが走る。
驚きでがくっとよろけると、また銃声。
ﾀﾞｧﾝｯｯ!!!
とっさに倒れ込むように横に転がれば、すぐ横を銃弾が通りすぎる。
ひっと息を呑んだ。
早く逃げなきゃ。
熱のこもったような感覚のする足をなんとか奮い立たせ、
また、森の方へ駆けだした。
「逃がすなっっ！！追えっ！！」
そんな声を後ろ耳に聞いて。
怖くて、怖くて。
本能が危険だと何度も何度も警告を出していた。
逃げろ。
死にたくなければ。
逃げろ。
生きていたいのならば。
分からない。
理解できない。
脳が上手く動いてくれない。
それでも。
ただひたすら、森に向かって足を動かした。
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海翔(プロフ) - コメントありがとうございます!!!本気で自己満でしかないものにそう言ってもらえるととっても嬉しいです!!(*´∀`) (2020年11月13日 18時) (
レス) id: 5f7ebbff92 (このIDを非表示/違反報告)
ユンソク(仮)(プロフ) - なんて言うんだろう、簡単にまとめると好き。 (2020年11月12日 0時) (レス) id: cdb5775375 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：海翔 | 作成日時：2020年10月4日 10時
