【鬼滅の刃】鬼ですが藤の花と鬼しかたべません！

30話~優しい手が報われて~ ページ31

　


　


実弥様の言葉でやっと納得が言ったのか、不満そうな表情は消えて以前に見たはつらつとした人が良さそうな笑顔になって



　

実弥様の背後に隠れる私の横に座り顔を覗かせてきた



　



　




　


煉獄「なら改めて名乗らせてくれないか？


　


　



俺は鬼殺隊炎柱 煉獄杏寿郎だ


　

　
千寿郎は勿論だが是非俺とも仲良くしてくれないか？不知火少女」




　



　

　


　

　


　


　

　



今度はさっきみたいに無駄に張られた大声ではなく、怖がりな私を刺激しないように配慮なされた大きさで



　

そっと言って、私に手を差し出してきた




　



　




　


千寿郎様と同じ様に、存外この人は真っ直ぐで優しくて……ただ生真面目なだけなのかもしれない…




　


　


　



　


　

貴女「し、不知火…A、です……よ、よろしくお願い致します…煉獄様…！」



　



　




ならば私も怖がるだけでなく、歩み寄ってくれた方に応えなければならない



　



　


　



　


　

　


　

　


実弥様の服から手を離して差し出された手をそっと握る



　


　


　




男性特有のその手は私とは比べ物にならないほど大きく、異常なほどゴツゴツと強ばっていてタコや手まめが沢山


　


それはもう沢山、死ぬほど努力したのだと語ってくれているようなもので……


　




　



　

　

不格好でとても綺麗で触り心地などは良いとは言いきれないその手は、暖かくて、大きくて




　



　


　

　


　


　


　


　


　

　
何でも包み込んでしまうかのように、優しく気遣ってくれるとても居心地が良い





　




　



　


ｽｯ…



　



　



　



　


　



　



　

煉獄「！」



　

　


　

貴女「……ッ…」


　



　



　



　



　


　



　



　


いつか、いつかこの優しく真っ直ぐな手が……煉獄様が報われる日が来ますように



　


彼が……否、彼だけではなくこの時代を生きる皆様が報われて、ただ幸せに笑っていられる日が来ますように



　



　


　



　



　

目が霞み、鼻先と目頭が暑く痛み出したのを誤魔化すように握った煉獄様の手をもう片方の手で上から握り額に当てる



　


どうか、どうかこの鬼がもたらす乱世が…




　



　


　



終わりますように





　



　



　



　



　



　


煉獄「不知火少女……(泣いて、いるのか…)」
　


　
不死川「……泣き虫」

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