四話~妖怪でも生きてる~ ページ5
パタンッ
結局、あの後薬を持ってきた子狐とそっくりなご飯を運んできてくれた子狐と入れ違いで狐は静かに部屋から出ていった
貴女「………」
………ご飯は、消化の良いお粥
うん、これなら
スッ
三人「「「おっ?」」」
お盆に置かれたスプーンを持ってお粥を更に潰す
銀島「?!なっ何するんや!!」
貴女「……………」シーッ
大声を出されてあの大きな狐を連れてこられても、困る
慌てて口に指を当てて静かに、とジェスチャーする
グッ………グッ………
侑「な、なぁ何しとんのや?」
治「はよ食べんと冷めんで」
貴女「………」
グッ………グッ………
ん、こんくらいなら大丈夫……
ドロッと噛まなくても飲み込めるくらいに潰してお粥を掬う
そして寝てるこの子の体を少し起こして口に運ぶ
三人「「「!!」」」
「ッ…………ハァ……ハァ」
ちゃんと食べないと、この子は飢えからの熱だから
治るものも治らなくなっちゃう………
貴女「………………」
噎せないようにゆっくりと、慎重に口のなかに流し込む
「……………スー……スー………」
少しその作業を続けたら今度は静かな落ち着いた呼吸音が聞こえた
貴女「………………」
残ったものはぼくが食べよう
お腹はちゃんと空いてるし
いったんお粥の入った器を床に置いて寝ているこの子の頭を撫でる
………次はもっと食べれるよう頑張ろうね
大丈夫、ゆっくりで良いからさ
一通り撫で終わって今度はぼくが残りのお粥を食べる
侑「お前はそれだけでええんか……?」
銀島「新しいの持ってきたろうか?」
貴女「…………?」
新しいの………?なんで?
治「それ食いかけやし、そんだけで足りるんか?」
?………いつもの事だし、別に平気
それに
貴女「…………もったいない」
首を横に振る
三人「「「!?喋った!!」」」
貴女「?」
なんで喋っただけでそんなに驚くんだろう
銀島「量はそれで足りんのか?」
貴女「………………ん」
昔は余り物を三人で半分こするなんて当たり前だったし
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作者名:元薺(サイ)だった者 x他1人 | 作成日時:2019年12月18日 8時