底辺妖怪の少女は

26話　サクラside ページ29

サクラ「…Aはとても優しい子ね。」



Aが帰った後、桜の木に語りかける。



サクラ「あんなに優しい子…そうそう存在しない…。」



…私には分かる。



Aがどんな気持ちでいるか。



…“絶望”した時、どれだけ心が壊れてしまうか…知ってるから。



…だからこそ…あの子には、幸せになって欲しい。



サクラ「ヴィル、シロ。」



ヴィル「はっ」



シロ「な〜に〜？」



私の一番信頼している仲間を呼ぶ。



サクラ「あなた達にお願いがあるの。」



シロの胸倉を掴んでいたヴィルが、すぐさま私の方を向く。



…ヴィルは、シロの軽いところが気に入らないんだって。



私はそんなシロのことが好きなんだけどね。



サクラ「Aのこと…守ってあげてくれないかな。」



ヴィル「…A…とは、主と話をしていた…あの娘ですか？」



サクラ「そう。」



シロ「んー。オレは主の部下であって、あのこの部下じゃないんだよなぁ。」



ヴィル「今回ばかりはシロに同感です。」



…うん。



そう言うって分かってたよ。



…でもね。



サクラ「お願い。Aは私の…＿＿＿＿＿＿＿＿なの。」



ヴィル、シロ「…!!」



顔色の変わる二人。



…分かってくれたかな？



サクラ「なるべく直接守らないでね。


あの子、そう言うの気にしちゃうタイプだから。」



シロ「…分かった。」



ヴィル「仰せのままに。」



…A…笑って…。








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