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Hug me.26 ページ26

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「あのぅ、さんなんて付けんでええですよぅ。」



先輩からさん付けなんて、恐れ多すぎる。それが北先輩なら尚のこと。

あとなんとなく敬称がついていると距離を感じる。





「そうか。じゃあ汐田で。」


「うううんありがとうございますぅ...幸せや...」




まさか北先輩に名字呼び捨てで読んでもらえるなんて、夢みたい。

ほかの北さんファンに殺されるレベルだよこれは。




「あの、北先輩。」




でもちょっとだけ、あとちょっとだけ欲張ってもいいですか。


恋人になる前のステップ、お友達から始めるならまずは欲しいものがあります。




「れ、連絡先聞いてもええですかっ。」



キュッとスマホを握り締める。恐る恐る目を開けた先では、キョトンとした顔の北先輩。


断られたらどうしよう。「個人情報なので。」とか言われたらどうしよう。




「ええよ。」



「ほ、ほんまですか!?」




喜びのあまり危うくスマホを落としかける。


鞄から取り出した北先輩のスマホは、スタイリッシュなマットの紺色のカバーに包まれていた。

かっこいい。素敵。



震える指先でLINEを開いて、やってみたかったふるふるを押す。




「北先輩、ふるふる出来ますか。」


「ふるふる?」




あかん。北先輩がふるふるって言いよる。


可愛い。可愛すぎる。



思わず口を片手で勢いよく抑えて仰け反ると、「大丈夫か。」と心配されてしまう。




「ゴホン...すみませんお見苦しいところを...えと、ここ開いたらふるふる出てきます。」


「ほんまや。おおきに。」


「んん゛ぅぐっ」


「どないしたん。」


「ちょっと重症な恋患いなんです、気にせんといてください...」





そんなこんなで手に入れた北先輩の連絡先。



バレーボールのアイコンはなんだか想像通り。



液晶画面にぴこんと現れた「北信介」の文字をそっと人差し指で撫でると、思わず笑が零れた。




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lemonade066(プロフ) - 続編出てますか? (2022年1月2日 23時) (レス) id: 66d7fc9173 (このIDを非表示/違反報告)
あーちゃん(プロフ) - そうだったんですね! マジですか! 楽しみに待ってますよ〜♪ (2020年4月25日 0時) (レス) id: e1da6f24a3 (このIDを非表示/違反報告)
さささ(プロフ) - あーちゃんさん» こんばんは。続編、諸事情によりまだ用意できておりません‥‥ですがもうすぐ用意できるので少々お待ちいただけるとありがたいです!面白いと言ってくださってとても嬉しいです! (2020年4月24日 23時) (レス) id: 2fb3066e52 (このIDを非表示/違反報告)
あーちゃん(プロフ) - 続編のお知らせとありますが、続きがページ貼ってません。 まだでしたら、お知らせした方がいいですよ。 とても面白いので。 (2020年4月24日 23時) (レス) id: e1da6f24a3 (このIDを非表示/違反報告)
さささ(プロフ) - 柴乃さん» おばあちゃんっ子北さん可愛いですよね!!!!夢主の性格に似てるんですか、びっくり!!更新遅くて申し訳ないです、頑張りますね!! (2018年10月6日 19時) (レス) id: 44bca1b265 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:無色猫 x他1人 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2018年8月26日 21時

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