保健室の眠り王子

独占王子 ページ9

「…流石にこれは……。」



「《お詫びをさせて》って、先輩が言ったんですよね?」



場所は保健室。


養護教諭の先生は、運が良いことに会議で居なかった…ベッドに横たわっている王子様は、少し頰が赤くなっている。


そんな王子様のを見ると、なんだか新たな扉を開きそうになったけど、慌ててその扉は閉じた。



「……だ、だからって、寝顔を撮らせろとか…なんだよ、そのヘンタイなお願い。」



半ば呆れたように溜息を吐く王子様。


そう、私が先輩に頼んだ《お詫び》は…美しい王子様の《寝顔》を撮影することだ。



「え〜…美しい王子様みたいな先輩の寝顔ですよ?綺麗ですから、写真に収めたいんです。」



「理由が1ミリたりとも理解できない。」



理解できなくても良いんです、私が単純に美形の寝顔を撮りたいだけなんで。



「とにかく、ちゃんと《お詫び》はしてもらいますよ?さ、寝てください!」



王子様は再び大きな溜息を吐きながらも、渋々白く薄い瞼を閉じる…王子様は【眠り王子】になった。




––…やっぱり、綺麗な顔。




「………。」



ポケットから端末を出して、カメラを起動すると私は王子様の寝顔を撮影しようとする。



「…撮影、するなら早く終わらせろよ?」



「………は、はいっ!」



私は1枚、2枚と近くで撮ったり遠くから撮ってみたり…色々な角度から撮影。


どうしよう。



「……ヘンタイさん、どうしたのさ?」

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