条件夫婦【松田陣平】

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カランカラン。




「いらっしゃいませ。」



『どーも。安室さん、んで今回はどういった話があったんです？』




数秒の沈黙。何だよこの間、もう一声掛けようとした時ハッとしたように安室が口を開いた。






「もしかして、Aさんですか？」



『そうだが。何か問題でも、大体おま、安室さんが呼んだんだろ。』



「すみません。この間とは雰囲気が違ったので……。」





嗚呼、そういう事か。サングラスというのはそんなにも人の印象を変えるのだろうか。確かに以前会った時はサングラスでは無く眼鏡をかけていたがそれはコンタクトが付けれなかったから仕方なく眼鏡だっただけで普段出歩く時は大体サングラスを掛ける。






私は外出する時は何時もサングラスを掛ける。夏だろうが冬だろうが関係ない、とにかく出歩く時はサングラス必須。そうでもしねぇと自分で言うのもアレだが男が寄って来る。私はそこそこ顔が整っていると思う。現に一度サングラスなしで買い物に行った時は買い物どころじゃ無かったのだ。





『まあいいや。取り敢えずアイス珈琲ブラックで。』



　
注文をして空いていたカウンター席に座る。




「あれ？Aさんですか。久し振りですね。」



『榎本だ。久し振り、つっても5日ぶりぐらいか？』





奥の方で注文を取っていたのか戻って来た絵のもとに話し掛けられる。そのままの流れで少し話しているとカウンターに珈琲が置かれた。







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