winter128 無理しないで ページ31
★オビside
りんご、バナナ、パイ、木の実……
たくさんの贈り物を預かると、俺たちはまた歩き出した。
イルメリアの城下は活気に満ち溢れていて、それこそ歩いているだけで楽しめた。
そして、お昼を少し過ぎたころ。
『じゃあ、残念だけど式典の準備があるから私はここまで。
あとはみんなで楽しんで！夕方までには城に戻って来てね』
ゼン「ああ。了解した」
オビ「俺疲れたんで、A嬢と一緒に一度城へ戻りますね」
ミツ「じゃあ俺も………」
木々「ミツヒデ…」
木々嬢がミツヒデさんを鋭く睨んだ。
余計な事をするな、の意だ。
オビ「ほんじゃあ、俺たちもう行きますね！
なんか酒買っといてください主〜」
ゼン「気が向いたらな」
木々嬢に感謝しながら、俺とA嬢はその場をあとにした。
．
．
『オビ、本当によかったの？』
オビ「何がだい？」
『いや、私を城まで送るためにあんな嘘吐いたのかなって』
疲れたなんて嘘でしょ？本当はもっと城下を回っていたかったくせに。
と、彼女は言う。
ばれていたようだ。
確かにもうちょっと回っていたかった。
けど……
オビ「あんたが無理してないか心配でさ」
『？？？』
俺の言葉を不思議に思う彼女の姿が愛しかった。
微笑しながら答え合わせをする。
オビ「さっきから、“笑ってるけど泣いてるみたい”」
それはA嬢だけじゃないけどね、と付け足す。
すると、少し笑みを浮かべ、泣きそうな顔で俺を見た。
『オビは、なんでもお見通しなんだね…』
A嬢がもうすぐいなくなることは、この国のすべての民が知っていることだ。
だけど、みんな笑っている。
無理して、笑っている。
それはA嬢を想ってのことなのだろうが……
オビ「………」
先ほどA嬢に声をかけていた者たちは皆、
A嬢が去った後、俯きながら静かに涙を流していた。
彼女がそれに気が付いていないわけがない。
『オビ…？』
足は止めずに、その茶色い頭を優しく撫でた。
すると彼女は、悲しそうにふわりと笑う。
『ありがとう。でも大丈夫、あなたがいるから』
本当に、彼女の心の支えになれていればいいなと思った。
．
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ルルコ - 大・号・泣！！ ほんとにタイトル通り涙の雨です！それも大雨！最後の宝探し(手紙とお花)なんて神ですね！別の意味でさらに感動しました (2021年12月15日 1時) (
レス) @page50 id: 71a021f1b6 (このIDを非表示/違反報告)
purupru(プロフ) - はまってしまい、一気に読みました。涙雨3に入ってからは涙がでて止まりませんでした。更新再開を楽しみにしてます^ ^ (2018年11月6日 20時) (レス) id: bc972e56cf (このIDを非表示/違反報告)
れ - 一気に読んでしまいました。涙がとまりません。また、物語がスタートするの待ってます。 (2018年10月13日 17時) (レス) id: 3522cc0a39 (このIDを非表示/違反報告)
かりそめの蘇生(プロフ) - 更新再開してくれて嬉しいです！完結まで楽しみにしてます！ (2018年6月3日 7時) (レス) id: 4709ebaabe (このIDを非表示/違反報告)
マリモ - クラリネスで涙花病の薬つくってほしい (2018年5月15日 14時) (レス) id: 1e69e1c4b0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ミミネコ | 作成日時：2016年12月9日 20時
