autumn121 カキツバタ ページ24
☆Aside
ガチャ……
メイドに案内され、綺麗に整頓された部屋へとたどり着いた。
ふかふかのベッドに、倒れこむようにして体を預ける。
目を閉じながら息をしていると、ドアのノック音が木霊した。
コンコンコンッ
声を聴かなくても、姿を見なくても、
ドアの向こうの人物が誰なのかがわかった。
『どうぞ…………オビ』
オビ「失礼します」
ゆっくり起き上がると、微笑むオビと目が合った。
私も微笑み返す。
オビ「やっと、2人きりになれたね」
『………うん』
オビはドアの前から移動し、私の隣に座った。
その状態のまま、沈黙の時間が流れる………
．
．
謝らなきゃいけないことが、たくさんある。
伝えなきゃいけないことが、たくさんある。
だけど、口が開かない。
声が出ない。
勇気が、出ない。
オビ「………」
突然、空気が動いた。
オビが、私を抱きしめた。
強く、強く、こぼれ落ちていくものを掬うように、かき抱く。
言葉なんて、いらなかった。
『………っ』
涙が止まらない。震えが止まらない。
オビのぬくもりがあるから、今は狂わないでいられる。
オビ「……」
少し距離を取ってから、オビの指が私の頬に添えられた。
そして、ゆっくりと顔が近づき＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
私たちは、苦しみを分け合うように、キスをした。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
人生初のキスは、悲しくて優しい味がした。
触れるだけの優しいキス。
離れては重ね、離れては重ね………
それを繰り返していくうちに、どんどん過激なものになっていった。
『………ん』
オビ「……っ」
息が苦しいけど、唇を離したくない。
頭がぼーっとして、すごく気持ちいい。
オビは唇を押し付けたまま、ゆっくりと私をベッドに押し倒した。
そして、服に手をかけ、目線で合図を送ってきた。
『………』
そのままオビに溺れてしまいたかったが、私は理性を取り戻す。
伝えなければならない。
謝らなければならない。
私は首を横に振りながら、ゆっくりと起き上がった。
『オビ……』
いつもより少し火照っている頬。
優しい色をした瞳。
熱を帯びた唇。
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿あなたのすべてが愛おしい
．
autumn122 幸せは必ず来る→←autumn120 残された時間
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
ラッキーカラー
あずきいろ
ラッキーナンバー
8
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 744人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ルルコ - 大・号・泣！！ ほんとにタイトル通り涙の雨です！それも大雨！最後の宝探し(手紙とお花)なんて神ですね！別の意味でさらに感動しました (2021年12月15日 1時) (
レス) @page50 id: 71a021f1b6 (このIDを非表示/違反報告)
purupru(プロフ) - はまってしまい、一気に読みました。涙雨3に入ってからは涙がでて止まりませんでした。更新再開を楽しみにしてます^ ^ (2018年11月6日 20時) (レス) id: bc972e56cf (このIDを非表示/違反報告)
れ - 一気に読んでしまいました。涙がとまりません。また、物語がスタートするの待ってます。 (2018年10月13日 17時) (レス) id: 3522cc0a39 (このIDを非表示/違反報告)
かりそめの蘇生(プロフ) - 更新再開してくれて嬉しいです！完結まで楽しみにしてます！ (2018年6月3日 7時) (レス) id: 4709ebaabe (このIDを非表示/違反報告)
マリモ - クラリネスで涙花病の薬つくってほしい (2018年5月15日 14時) (レス) id: 1e69e1c4b0 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ミミネコ | 作成日時：2016年12月9日 20時
