winter138 誓いの言葉 ページ41
☆Aside
『オビ、我慢してるでしょ？』
オビ「え…」
虚をつかれたような表情だった。
やっぱり、と心の中で思う。
『私に隠してることがあるはず。
そしてそれは私を想ってのこと』
あなたは優しいから、
自分の感情を心の奥に隠してまで他人を優先する。
私はそれを暴いて、優しく包み込みたいの。
だから許してね、あなたの心に踏み込むことを。
オビ「お見通しってわけか。さすが俺の姫さんだ」
観念したように微笑むと、彼は言葉を紡ぐ。
・
・
★オビside
オビ「怖いんだ。どうしようもなく不安なんだ…
…あんたのいない未来が」
怖い。怖い怖い怖い怖い。
彼女のいない世界で、果たして俺は生きていけるのか。
壊れてしまわないだろうか。
笑えるだろうか。
空を、花を、海を、美しいと思えるだろうか。
オビ「ごめん…俺…」
自分がこんなに臆病だとは思わなかった。
今一番恐ろしい想いをしているのはA嬢なのに…
『オビ』
途端、唇に柔らかいものが触れた。
彼女に口づけられていると認識するのに、そう時間はかからなかった。
オビ「A…嬢…？」
ゆっくりとぬくもりが離れていく。
それを名残惜しく感じながらも、哀しみを含んだ瞳に惹き込まれた。
『私ね、人は2回死ぬ、という話を信じているの』
強い、意志を感じた。
『だから、オビが生きている限り、
私はあなたの心の中で生き続けることができる。
こうして直接話すことはできないけれど…』
でもね、と彼女は続ける。
君のいない世界で、俺が歩いていけるように。
『いつも傍にいるって、今ここに誓うわ。
健やかなる時も、病める時も、あなたの近くにいて、あなたを守る』
まるで、姫を守る騎士のような眼差しで
まるで、神の前で宣言する愛の誓いのような言葉で
彼女は俺に勇気をくれた。
途端、先ほどまでの恐ろしさが嘘のように消えていく。
少し時間がかかってしまうかもしれないけれど、
俺はきっと歩けるようになる。
あんたがいてくれるから。
オビ「……っ…ありがとう…」
何度言っても足りない。
言葉だけじゃ足りない。
どうしたらこの気持ちが伝わるだろう？
そんな俺の胸中をよそに、どういたしまして！って君は当たり前のように笑うから、愛しさが溢れて止まらないよ。
あと少しで言葉も交わせなくなるなんて…
君との出会いすべてが夢のようだ。
・
winter139 ただ愛してる→←winter137 死の誘い
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
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ルルコ - 大・号・泣！！ ほんとにタイトル通り涙の雨です！それも大雨！最後の宝探し(手紙とお花)なんて神ですね！別の意味でさらに感動しました (2021年12月15日 1時) (
レス) @page50 id: 71a021f1b6 (このIDを非表示/違反報告)
purupru(プロフ) - はまってしまい、一気に読みました。涙雨3に入ってからは涙がでて止まりませんでした。更新再開を楽しみにしてます^ ^ (2018年11月6日 20時) (レス) id: bc972e56cf (このIDを非表示/違反報告)
れ - 一気に読んでしまいました。涙がとまりません。また、物語がスタートするの待ってます。 (2018年10月13日 17時) (レス) id: 3522cc0a39 (このIDを非表示/違反報告)
かりそめの蘇生(プロフ) - 更新再開してくれて嬉しいです！完結まで楽しみにしてます！ (2018年6月3日 7時) (レス) id: 4709ebaabe (このIDを非表示/違反報告)
マリモ - クラリネスで涙花病の薬つくってほしい (2018年5月15日 14時) (レス) id: 1e69e1c4b0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ミミネコ | 作成日時：2016年12月9日 20時
