26話 ページ26
「どうしてだよっ…！」
今悪態をついても状況はよくならないことなど、アルミンは嫌と言うほど分かっている。
イアンと二人がそれぞれの目的地エへ向かおうと互いに一歩踏み出した時、アルミンの視界にそれは入った。
蜘蛛の子を散らしたように逃げ回る兵士の一人を、無造作に捕まえる巨人。
誰か…！
アルミンは無意識に助けを呼んでいた。
その時…
「前方に２体！リヴァイ、行くぞ！」
どこかで聞いたことがある凛とした声が響いた。
兵士を口の中に含んで噛み砕こうとしていた巨人の無防備な背中に、突如現れた一人の兵士がうなじを削ぐ。
巨人の口の中から食われかけていた兵士を引きずり出すと、屋根の上へと移動する。
その一連の出来事を、アルミンやミカサ、イアン達他の兵士達も、信じられないものを見るように眺めていた。
「あれはっ！」
舞うように立体起動で移動しながら巨人を駆逐した兵士。
アルミンには、その兵士に見覚えがあった。
彼だけではなく、その場の兵士達が全員知っていた。
「バルハート……」
「A・バルハート副兵士長だ！！」
あまりに美しく華麗な登場の仕方に、兵士達は一瞬絶望を忘れた。
そしてAに続くように、リヴァイと兵士達が次々と現れる。
呆気に取られていたアルミンはすぐに我に返った。
「リヴァイ兵士長と、A副兵士長です！人類最強の双璧ですよ！あの人達と協力して、巨人を引き付けながら戦えば勝機はあります！！」
「私も戦闘に回ります！」
アルミンの提案に、ミカサも賛同し、イアンとその部下たちも賛同する。
ただ犠牲になるだけではなくて、生き残る希望が見えてきたからだ。
「もちろんだ！彼らがいれば勝機はある。しかし……逆に心配なんだ！！」
「どういうことですか？」
「たった今来たばかりの彼らは、俺達の作戦はもちろん、現状も把握出来ていない！巨人を駆逐してくれるのはありがたい。でも彼らに巨人になったエレンの区別がついているとは思えん！」
彼の言っていることを理解して、アルミンははっと気づいた。
リヴァイとAは、"人類最強の双璧"の名の通り、敵にも味方にも容赦はしない。
「このままでは、エレンも駆逐されるかもしれん！」
「ぼ、僕が説明しに行きます！」
「アルミンを援護します！」
アルミンとミカサは二人の後を追いかけた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 929人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「進撃の巨人」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
調査兵団幹部チーム愛し隊 - 今さらながらなんですかが、ナイルおj(((殴 は憲兵団師団長じゃないんですか？ (2016年8月22日 14時) (
レス) id: 894b276357 (このIDを非表示/違反報告)
いちごみるく(プロフ) - らるさん» もちろんです！！読ませていただきますっ♪ (2014年4月17日 19時) (レス) id: 1acc0f6ccb (このIDを非表示/違反報告)
らる(プロフ) - southさん» ようやく告白まで書けました！しかし、告白シーンとか苦手でして…無理矢理感満載ですがお許しを(笑) (2014年4月17日 19時) (レス) id: 3623d1c29a (このIDを非表示/違反報告)
らる(プロフ) - いちごみるくさん» いつも読んで頂きありがとうございます！続編についても制作中ですのでその時はよろしくお願いしますね (2014年4月17日 19時) (レス) id: 3623d1c29a (このIDを非表示/違反報告)
south(プロフ) - キターーーーー//////告白！続きが楽しみです！ (2014年4月17日 18時) (レス) id: edd4929e4b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：らる | 作成日時：2014年3月16日 0時
