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8.責められる ページ9

あれ、まただ。







さっきまで必死こいて獣たちから逃げようと抵抗していたのにも関わらず、またもや義勇に後からすっぽりと抱きしめられているこの状況にもはや力の無さを痛感することしかできなかった。







どうしてこうも男どもは後ろから抱きしめたがる!?
ねえ流行ってんの!?女の子がキュンキュンするの!?そりゃするでしょうね!!だって私なんてキュンキュンを通り越して心臓ドキュンドキュンだからね!?


うん!自分でもなにいってんのかわからない!!





だなんて一人心の中で喋り散らしていると右手に暖かな温もりを感じたものだからそこに視線を移せば後ろから伸びている手に握られていた。

そんな義勇の手が私の手の内側にするりと回ると、ひとつひとつの指どうしが絡まり合い所謂恋人繋ぎというものになる。





そんなことになってしまった自分の手を見て恥ずかしさに身を応えていると、ちゅっ、だなんて僅かに可愛らしい音を立てて耳朶に生暖かい感触をかんじ、思考を失うこと約5秒。



『い、いい今!!今!!み、耳にキスしたでしょう!?』


「それがどうした。」


『それがどうしたって、よくも恥ずかしげも無くそんなことできるわね!!』


「Aはもう、少し黙れ。さっきから俺のこと忘れてるだろう。」


『忘れてるわけないでしょうが!?貴方が今一番危険だわ!!黙々と釦外しながら鎖骨に口付けしまくって!!忘れることすらできないわよ!!』




と、怒りに叫ぶけれど二人から与えられる口付けに一瞬として力が抜け落ち、早くも3つも外されてしまった釦を見て、ああ、このままだと本気で穢されるちゃう、もうお嫁になんて行けないんだわ…と、未だ繋がれたままである義勇の手を握っていると錆兎の顔が一直線に私の顔へと近づいてきていることに気がつく。






え、何しようとしてる?まさか貴方、私のファーストまで奪おうというつもりなの?
嘘でしょう…これもまた運命(さだめ)なのかしら。



なんて潔く諦めたつもりで目を静かに閉じ、唇にやってくるであろう温かさを待ち受けていた。









待ち受けていたのだが、それはやってくる事がなく、口元は掌が覆い、グイッと庇われるかのように横を向けられていた。




んん?どういうこと?

9.奪われる→←7.触れる



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かかす(プロフ) - 面白いです、作者様神.. (2020年3月2日 14時) (レス) id: cb1c312403 (このIDを非表示/違反報告)
メリ助(プロフ) - コメント失礼します!!この小説を読むのが楽しくて仕方ありません!!もっと更新頑張ってくださいっ!炭治郎が主人公のフェロモンにあてられる様を早く読みたくてそわそわしながら更新通知覗いてます…(〃ω〃) (2020年2月25日 4時) (レス) id: edf0a2913a (このIDを非表示/違反報告)
まりまる - かっ、神絵(白目) (2020年2月22日 3時) (レス) id: 47953253f0 (このIDを非表示/違反報告)
シュラス - え、あの絵のどこか汚いんですか?寧ろ神レベルじゃないですか。マジリスペクトしてますよ?もっと自信を持って下さい!( ´∀`) (2020年2月13日 1時) (レス) id: 7e1b00660a (このIDを非表示/違反報告)
Rinu - ○○しないと出れない部屋がいいです! (2020年2月10日 20時) (レス) id: 2e42f0c8e1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:水飴 | 作成日時:2020年1月24日 19時

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