11.言い合う ページ12
そんな次々と襲ってくる快感に、もうこのまま流されてしまおうかと瞳を閉じて受け入れていると、突如として障子が開かれる気配。それとともに薄らと目を開ける。
するとそこに映る景色に、朦朧としていた頭が気力を取り戻した。
…え、う、宇髄さん!?なんで!?てか私たちのこと探してたの!?
と、扉を開けた状態のまま、はぁはぁと息を切らし、少しばかり汗ばんでいる宇髄さんに驚きを示して未だ口付けた状態の錆兎を押し戻しているのだが、力叶わず益々深く口付けてくる。
「やっと、見つけたぞ…!
さあ、Aを返してもらおうか!!」
まだこの人そんなこと言ってるの!?諦めの悪い奴だな!!というか、そこで見てないで返してもらおうかとか言うならこの人どうにかしてくれませんかね宇髄さん!!
そう思うものの、口に出すことは出来ずで代わりに口の中から聞こえる水音と口から息が漏れ出すばかり。
そこでようやく動き出した宇髄さんは私にくっついていた義勇と錆兎を引っ掴んで文字通り投げ捨てた。
それでも二人は華麗に着地し、宇髄さんと向き合う。
「お前らAに何しやがった!!こんな派手に無残な格好で…
何も無かったとは言わせんからな!!俺だってまだ接吻すらもしていないんだぞ!!」
「何を言う。俺たちだってまだ接吻しかしてないんだぞ。釦だって外しただけでまだ触ってもいない!!」
「お前に渡すAは1人も居ない!!」
『もしもーし、なんですかこの会話。宇髄さんの自分のものに手を出された感のセリフといい、錆兎の堂々とした宣言といい、義勇の理解不能な言葉といい…
何を言い合っているのかさっぱりなのですが!?』
この場合、【私のために争わないで】というのが乙女の掟というものなのであろうがそんな生ぬるいものでもなく…
先までの甘い雰囲気も無に帰り私は呆然と座り込んだまま叫び散らしていた。
そしてその間に釦を止めることも忘れることなく…
けれどその言葉を聞いている空気でもなく彼ら3人はか何故か喧嘩のような言い合いを始めていた。
これはどうするべきか…
そう思っているとまたもやバタバタと足音を鳴らしてこちらに近づいてくる気配ひとつ。
その人は部屋の前まで来ると空気も読まずこういった。
「A!!稽古の時間だ!!行くぞ!!」
『……へ!?
な、なんで煉獄さんまでここに!?』
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かかす(プロフ) - 面白いです、作者様神.. (2020年3月2日 14時) (レス) id: cb1c312403 (このIDを非表示/違反報告)
メリ助(プロフ) - コメント失礼します!!この小説を読むのが楽しくて仕方ありません!!もっと更新頑張ってくださいっ!炭治郎が主人公のフェロモンにあてられる様を早く読みたくてそわそわしながら更新通知覗いてます…(〃ω〃) (2020年2月25日 4時) (レス) id: edf0a2913a (このIDを非表示/違反報告)
まりまる - かっ、神絵(白目) (2020年2月22日 3時) (レス) id: 47953253f0 (このIDを非表示/違反報告)
シュラス - え、あの絵のどこか汚いんですか?寧ろ神レベルじゃないですか。マジリスペクトしてますよ?もっと自信を持って下さい!( ´∀`) (2020年2月13日 1時) (レス) id: 7e1b00660a (このIDを非表示/違反報告)
Rinu - ○○しないと出れない部屋がいいです! (2020年2月10日 20時) (レス) id: 2e42f0c8e1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:水飴 | 作成日時:2020年1月24日 19時