1.匂う ページ1
「お前、香水かなんかつけてんのか?」
『………は?』
柱へと昇格してはや数日、初めてまともに会話した彼、音柱こと宇髄天元にそんなことを言われて素っ頓狂で間抜けな声を出してしまった真昼間。
『何言ってるんですか宇髄さん、私がそんな高価なもの持っているわけが無いでしょう?』
そもそも私、そんなもの興味ないから買いませんもの。だいたいそんな物使ってなんの意味があるのかわかってませんもの!香水などにお金を使うくらいならば屋敷の近所に住み着いてる猫の餌代にしますもの!!
え?女らしさの欠けらも無いって?
黙らっしゃいな。
というか、なんでそんなこと言い出したんだこの人。
「ほう、おかしいな。俺には派手に花のような甘い匂いがお前から漂ってくるんだが。」
『え、派手に?そんなに?私お花畑になど言った記憶ございませんが…
はて、どうしてでしょうってわっ
な、何するんですか!!』
今日も昨日も花には触れていないし、着物だっていつも通り普通に洗ったはずなのだが、と何故か真剣に記憶を探ってウンウン悩んで入れば隣に座っていた彼に抱き上げられて胡座に座らせられる。
「やっぱりお前からだ。この辺なんかは匂いが強いな。」
『…え、えっ?あ、いや、ちょっと!?』
何をやらかしてくれているんだこの人は!!え、もう私を殺す気ですか?言っときますけど私ね、自慢じゃありませんけど一度もお付き合いというものをした事がないんですよ!!それなのに、こんなことされちゃ心臓が持ちませんから!!
と、心の中で叫び散らす私。わけのわからぬ怒りと恥ずかしさに襲われていた。
宇髄さんといえば胡座に座らせた私を後ろから両腕をお腹あたりに巻き付け、どういうつもりか先程から首の項辺りをスンスンと匂ってくるのだ。
「花の香りっぽいが少し違うな。
……ああ、なんつーか、色気っつった方がしっくりくるか。
お前、すげぇ美味そうだ。」
急に何かをブツブツと呟き出したこの人に何を言ってんだと心臓をバクバクさせていれば、ぬるりとした感触が首筋を伝った。
そんな予想打にもしない宇髄さんの行動に私の頭は真っ白に塗りつぶされる。
ねえ、さっきの。
ぬるって、ぬるりって…
な、ななめられた!?
違うよね!!舌じゃないよね!!指だよねってあれぇ!!
この人の腕、私のお腹にあるじゃん!!
指じゃないよこれ!?じゃあなんなの!?
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かかす(プロフ) - 面白いです、作者様神.. (2020年3月2日 14時) (レス) id: cb1c312403 (このIDを非表示/違反報告)
メリ助(プロフ) - コメント失礼します!!この小説を読むのが楽しくて仕方ありません!!もっと更新頑張ってくださいっ!炭治郎が主人公のフェロモンにあてられる様を早く読みたくてそわそわしながら更新通知覗いてます…(〃ω〃) (2020年2月25日 4時) (レス) id: edf0a2913a (このIDを非表示/違反報告)
まりまる - かっ、神絵(白目) (2020年2月22日 3時) (レス) id: 47953253f0 (このIDを非表示/違反報告)
シュラス - え、あの絵のどこか汚いんですか?寧ろ神レベルじゃないですか。マジリスペクトしてますよ?もっと自信を持って下さい!( ´∀`) (2020年2月13日 1時) (レス) id: 7e1b00660a (このIDを非表示/違反報告)
Rinu - ○○しないと出れない部屋がいいです! (2020年2月10日 20時) (レス) id: 2e42f0c8e1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:水飴 | 作成日時:2020年1月24日 19時