溺愛注意報【ハイキュー】

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「女子校…通りで…」

「そこはさすが夢を壊してない」


『ツッキーも女子校に夢持ったりするの？
小中ずっと女子校だったからね、なんでもわかるよ。清いものから下衆いものまであるけど何をお話してあげようかな』

「ちょっとやめてください」




なるほどと納得する影山くんを傍にむふふと笑みを浮かべながらちょっとした悪巧みにツッキーに顔を向ければ心底嫌そうな顔をしたツッキーに物理的に距離を取られてしまった
残念無念。何から何まで教えてあげようと思っていたのに彼には不必要だったらしい。



『だいたい男の子は女の子に夢を押し付けすぎ。
女の子だって下品な話はするし家では中学の時の体操服にハーフパンツが部屋着だよ、他の子は知らないけどね』

「他の子は知らないけどって、少なくとも三神先輩はそうってことですよね。」

『うんうん。その通りだよ山口くん。三神先輩だって普通の女の子ですから。』



少し胸を張りながら言えば視界に日向くんを捉えて少々俯き両頬に手を当てては、さすがに日向くんの前では下品なお話しないけどねと言えばビクッと震えた彼が頬を染めながら場が悪そうに視線を彷徨わせた。

うん。今日も今日とて彼は可愛い。
そう、可愛いのにバレーのこととなればとてもかっこいいのだからそのギャップにお姉さんはやられまくりだ、いくらでも貢ぎたい。


なんて思っていれば未だオロオロしている可愛い日向くんの頭頂部に影山くんが容赦なく手刀を振り落としていた。


そんな光景をまたのほほんと眺めていれば道の分岐点。




『じゃあ私はこっちだから。またね。』

「あ、俺、最後まで送っていきますよ。」

『いいのいいの大丈夫。曲がってすぐそこの住宅街だから
影山くんはみんなと仲良く帰りなよ。放課後会おうね。』



と、ここまで言っても納得の行かなそうな顔をする彼。ふむ、なかなかに手強いなぁ。
どうしようかと思いつつ制服のポケットに手を突っ込めば指先に触れる物を発見。


『これあげる。本当に大丈夫だから、ね。』


ぎゅっと握りしめられた彼の拳を手に取り開かせていちご味のアメを掌に乗せるとそれに視線を向けた影山くんの頭をそっと優しく撫でてやった。

今度こそお別れだと手を振れば、先を進むスガくんや大地くんにまたねーと叫んで道を曲がったのだった。








(王様、先輩のこと好きなのバレバレしつこい男は嫌われるよ)
(お前いつまでアメ見てるんだよ)
(2人とも。そっとしといてあげよう？)

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