溺愛注意報【ハイキュー】

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騙された。

いや、正確に言えば別に彼も騙したつもりは無いのだろうけど私の良心に付け入った感じだろうか。



普段ならば絶対に着ることの無い青城の体操服(男用)に身を包んだ私は、どうしてこんなことになってしまったかと状況を整理した。





「行ってきます。」

髪を少し巻いてみたり、お母さんから教えて貰ったばかりの薄化粧をしてみたりなんて普段はすることの無い、休日だからこそできるおしゃれをし、本当は烏野バレー部に渡す予定だった差し入れを手に家を出たのは1時間ほど前。


バスに乗り、もう慣れてしまった道を歩いてやってきた青城。腕時計を確認するとちゃんと時間に間に合っていて、予定通りならそろそろ試合始まってるかな、そう思って足を踏み入れた体育館では、何故か未だに青城のバレー部が練習をしていた。


あれ？時間間違えたかな？なんて疑問に思っていれば私の到着に気づいたのか練習していた徹くんが手を止めて何かを手に取るとこちらにやってきた。



「Aー、早速だけどこれ着替えてきてくれない？」

『え、ちょっと徹くん、もしかして…』

「はいはい行った行った、うちの部室今誰もいないからそこで着替えてね。早くしないと相手校来ちゃうからねー！」



と、そんな勢いに飲まれて徹くんの体操服であろうものに着替えてしまったわけであるが、なんだか色々と察しがついた。
青城の練習試合を見に来るのは頻繁なことで、何回かに1回こういう無茶振りを仕掛けてくることがある。最近はもっぱら断り続けていたので忘れていたが、さすがに急すぎである。

そりゃあ事前に言われていたらマネージャーのような仕事なんて断っていただろう。なんせ今となっては私は烏野の応援をいているわけなので、こんなにも簡単に裏切るような行為はしたくないのだ。


そう、強い意志を心に、今日こそはがつんと言ってやろう、そうしようと意気込んでいたのに彼は「お願い。Aにしか頼めない仕事なんだよ。後で駄菓子屋さんについて行ってあげる(奢ってあげる)からさ」

と、頼み込まれてしまった。
まあいいか。幼馴染のよしみだ。少しぐらい力になってあげようじゃないか。




そうして、私は今日一日マネージャーとなった。

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