母性8% ページ9
今日は仕事を早上がりさせてもらい、急いで女と共に店を出た
小さく汚い、かつてXANXUSが捨てられていた橋の上で話をすることにした。
貴「返してって、どういう事？」
女「あの子の父親に会うためよ！私一人だと会って貰えないわ！あの子は特別なの!!だから早く返して！」
貴「巫山戯るな!!お前が捨てたんだろ!!お前が!!
ｯ、XANXUSを捨てたんだろうが、今更母親ヅラしてんじゃねぇよ!!」
特別な子？当たり前だ、子供は生まれた時から特別だ。
それをこんな汚い橋の下に捨てて逃げたのはこいつだ
返してなんてキレられる筋合いはねぇ
女「あの子の幸せの為よ！少なからず次は幸せになれるわ!!息子の父親はボンゴレファミリーのボスなんだもの!!」
は？なんだよ、それ、だからなんだよ、育てたのは私だぞ、私が、あの子を1番愛してる
あの子を1番幸せに出来るんだよ、だから
貴「そんなの知らねぇよ!!」
女「こんな汚い街で腹を空かせて生きていく必要なんかないのよ！私も息子も!!」
その言葉に、何も返せなかった
XANXUSは口を開けば飯とよく言っていた、お腹、空かせてたのかな
赤ん坊の時から食べる子だったもんな、そうだよな、私じゃ、無理なのかな
貴「……1週間後、ここで引き渡す。それでいいな。」
女「今すぐにでもがいいけどいいわ、絶対だからね!!」
ヒステリックな声を上げてどこかへと行った女
私も取り敢えず家には向かうが足取りが覚束無い
ずっと考えていたXANXUSの幸せについて
でも、結局私の、私が
貴「私が、XANXUSと、離れたくないだけだよな、」
そう思うと涙が出てきた、いても立っても居られず、家に向かって走り出し
眠っているXANXUSの部屋に飛び込み抱きしめた
ｻﾞﾝ「ぅわ！？急に何すんだよばば、何泣いてんだよ。」
貴「泣いてないわよ、バカ息子。」
ｻﾞﾝ「泣いてんじゃねぇかよ。何かあったのか？」
貴「……XANXUS、愛してる、心の底から、可愛い息子、」
そう言って抱き締める腕の力を強めると、黙り込んでしまう
だけどしっかりと、成長したその腕で抱き締め返してくれるXANXUS
ｻﾞﾝ「泣くなよ、母さん。」
貴「泣いてないってば、それよりXANXUS、もしお金持ちになれるとしたら
なりたい？危険が伴っていたとしても。」
ｻﾞﾝ「……………なりたい。そしたら、もう夜遅くに母さんが働かなくて済むだろ。」
貴「そう、わかったわ、起こしてごめんね、おやすみ。」
覚悟は、決まった
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 53人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
