# ページ16
小箱を開けると、そこには大きなダイヤモンドが埋め込まれているネックレス。
なんで、こんなにも高価そうなネックレスなんか、そう思いながら紙を手に取った。
ガサリと、紙を持つとなる特有の音を立てながら本の様に閉じてある紙を広げた。
≪愛してる≫
一つの、文字。
軽そうで、とっても重い、文字。
「っ…!」
ポトリと手から、ネックレスが入った小箱が落ちた。
顔の中心に熱がじわじわと集まる。どくどくと今まで以上に大きく高鳴り、荒れる心。
私は顔の熱を冷ますように急いで落ちた小箱を拾った。
「…ふぅ…」
深呼吸を繰り返す。
大丈夫、彼はからかってるだけだよ、きっと。この箱入り娘をからかってるだけ。
いくらそう思ってもどう考えても心は落ち着かない。
返事を書こうと、羽ペンを手に取りインクを付ける。けど、どうも手が動かない。
結局、私は返事をかけずにお菓子だけ窓枠置いて、朝を迎えてしまった。
嗚呼、彼はなんて書いてあるのだろうか。
嗚呼、もしかしたら返事を返さなかったから何もないかもしれない。
私はどきどき、と胸を高鳴らせる。彼はなんて、どう思っているのだろうか。
窓を開けた。
一枚の紙と、薔薇。
ガサリと紙を開く。
どきどきと、胸を抑えるように一度深呼吸をしてからバッと勢いを付けて開けた。
≪好き。好きだ。愛してる。手前の事が愛おしくて愛おしくてたまらない≫
バッと私はしゃがんだ。
嗚呼、彼は私の事を見つけてくれた。
どきどき高鳴る胸。赤く染まる頬。嬉しいという気持ち。
嗚呼…私も彼の事が好きであったのだ。今気づいたのだ。
「っ‥1、2、3…」
高鳴る胸を抑えて、赤くなっているのを隠すように薔薇の数を数え始めた。
1本、2本、3本、4本、5本…10本、11本、12本……20本。
そして、21本。
意味は…
っ嗚呼…もう…嬉しい。思い人からそう言われて嬉しくない女性なんているのだろうか。
【あなたに尽くします】
ゆるゆるに緩みまくる頬。
頬が紅潮し、気分が大きく高鳴る。
だから、気付かなかったのだ。人の気配に。
「A」
お母様の声。
「っ…!?」
振り返れば、そこには大きく眉を吊り上げ般若とまではいかないが怖い顔をしているお母様。
お母様は薔薇を私の手からひったくり、床に叩きつけた。
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嘘吐き姫(プロフ) - 中也さん、今度は戦国武将ですか…敵がバッサバッサですね(笑) 名前っぽいペンネームも素敵ですけど、双黒尊い…って、率直&ドストレートで、私は結構好きです!名前変わっても双黒尊い…さんはM・T(マイ・天使)です(( (2019年11月8日 19時) (レス) id: 346988f6d0 (このIDを非表示/違反報告)
双黒尊い…(プロフ) - リアさん» それは大変失礼いたしました。私がこのCSSを気に入っているという諸事情であまり変えたくないのです。本当に申し訳ございません。もうお知りになっているのかはわかりませんけれど右側にあるCSSという所を押せば、普通のに切り替わりますよ。 (2019年11月8日 16時) (レス) id: f17b921f9b (このIDを非表示/違反報告)
リア - あの小説のほうはすごく面白いのですが背景が桜の花びら、字が白なので大変読みにくいです壁紙を変えてください (2019年11月8日 16時) (レス) id: fa2d4be8dc (このIDを非表示/違反報告)
嘘吐き姫(プロフ) - 双黒尊い…さん» リクエストください(笑) (一つ前のコメント、レスつけそびれちゃいました、すみません!) (2019年11月6日 22時) (レス) id: 346988f6d0 (このIDを非表示/違反報告)
嘘吐き姫(プロフ) - リクエスト消化、ありがとうございました!びびりみたいなコミュ症みたいな夢主ちゃんめっちゃ可愛かったです(眼力) あと、「俺ってそんなに怖いのか」っていう中也さんの心の叫びにちょっと笑っちゃいました(笑)リクエスト停止を解消したら、是非私の作品にも (2019年11月6日 22時) (レス) id: 346988f6d0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:双黒尊い… | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/kouki69632/
作成日時:2019年10月22日 19時