# ページ17
「っ貴方!!人に会ってたのね!?!?」
怒りに怒りまくり、気持ちにゆだねるようにお母様は大きく声を荒げた。
「っなんで、なんでなんで!!」
髪の毛をぐしゃぐしゃにして、眉を吊り上げた。
私の手の中にある中原さんのメモ用紙をひったくって、破ろうした。
人の気配。ふわりと香る男物の香水。綺麗で夕日の様に綺麗な髪。
「おっと…そうはさせねぇぜ」
バシッとお母様の腕を掴む、ゴツゴツとした男らしい手。
ふわりと腰に手が回され、ギュッと彼の元に寄せられた。
「、中原、さん…」
中原さん。
ずっと会いたかった。
愛しい愛しい彼。
そして_
「大丈夫か?」
彼はくしゃりと私の頭を撫でた。
「もう安心しろ」
彼はニッと笑ってお母様の手からするりと紙を奪い取り床に落ちてる薔薇を拾う。
「こんな鳥籠からお前を連れ出してやる」
嗚呼、現れた。私の王子様。
「なぁ、可愛い可愛い姫さんよ」
私の_初恋の人。
コクリと私は小さく頷く。
すると彼はそうか、そう笑って私の手を取った。
トンッと中原さんは私の手を握ったまま窓枠を蹴った。
ふわりと宙に浮く体。
なんとも不思議な感覚で、つい中原さんの裾をギュッと握った。
「大丈夫だ。何も怖いこたァねェよ」
中原さんは私の瞳にそっと手を当て視界を遮った。
視線を遮られ、ふわふわと浮く体。更に怖くなる。
大丈夫、怖くない怖くないと呪文の如く内心で呟き自己暗示をかける。
少しずつ心も和らいできたころ。
「ほら、見てみろ」
中原さんのその言葉と共に広がる視界。
「わ、ぁぁ…」
思わず見惚れ、言葉が出てこない。
どうやって言い合わせばよいのかとか考えるけど一向に出てこない。
けど、とっても綺麗で、見たことのない一面。
「綺麗だろ。俺、気に入ってんだよここ。朝日が良く見えるからな」
中原さんはそう言って朝日の方に向き合った。
こんなにも綺麗な朝日を見たことがない。
朝日で照らされる街。街の商店街はわいわいと賑わいを見せていて、
街から少し離れたところにはお花畑がある。公園が見えて、お年寄りの人たちがいる。
キラキラと朝日に照らされ輝く海。
とても幻想的な一枚で。
「綺麗ですね…」
隣にいる彼は、小さく…嗚呼、って返事を返す。
さり気なく指と指を絡められてギュッと強く握られた。
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嘘吐き姫(プロフ) - 中也さん、今度は戦国武将ですか…敵がバッサバッサですね(笑) 名前っぽいペンネームも素敵ですけど、双黒尊い…って、率直&ドストレートで、私は結構好きです!名前変わっても双黒尊い…さんはM・T(マイ・天使)です(( (2019年11月8日 19時) (レス) id: 346988f6d0 (このIDを非表示/違反報告)
双黒尊い…(プロフ) - リアさん» それは大変失礼いたしました。私がこのCSSを気に入っているという諸事情であまり変えたくないのです。本当に申し訳ございません。もうお知りになっているのかはわかりませんけれど右側にあるCSSという所を押せば、普通のに切り替わりますよ。 (2019年11月8日 16時) (レス) id: f17b921f9b (このIDを非表示/違反報告)
リア - あの小説のほうはすごく面白いのですが背景が桜の花びら、字が白なので大変読みにくいです壁紙を変えてください (2019年11月8日 16時) (レス) id: fa2d4be8dc (このIDを非表示/違反報告)
嘘吐き姫(プロフ) - 双黒尊い…さん» リクエストください(笑) (一つ前のコメント、レスつけそびれちゃいました、すみません!) (2019年11月6日 22時) (レス) id: 346988f6d0 (このIDを非表示/違反報告)
嘘吐き姫(プロフ) - リクエスト消化、ありがとうございました!びびりみたいなコミュ症みたいな夢主ちゃんめっちゃ可愛かったです(眼力) あと、「俺ってそんなに怖いのか」っていう中也さんの心の叫びにちょっと笑っちゃいました(笑)リクエスト停止を解消したら、是非私の作品にも (2019年11月6日 22時) (レス) id: 346988f6d0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:双黒尊い… | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/kouki69632/
作成日時:2019年10月22日 19時