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「いやでもあの…キス…??」
頭の中は混乱状態だ。
あの感触が全く忘れられずに脳内を蝕む。
頰はおそらく赤く染まり、トントンさんの目を直視することもできない。
「ファーストキスだったか?可愛らしい奴だな。」
「…っ、グルッペンさん…。あなたの低音をいきなり耳元の通信機で聞き取る私の身にもなってもらいたいですね。」
嫌味たっぷりの言葉に嫌味で返す。
お前はこのパーティの主催者だろ!!そんなことを言う暇があるなら来賓者に挨拶でもしとけ!!
なんて言う気にもなれず。
「えっ!?おま…初めてやったん…?」
こっちはこっちで面倒。
「あ、はい、まあ。」
そう答えた瞬間トントンさんは軽く青ざめて本気で何度も謝罪してくる。
恋人設定を守るためにキスしたと言っていたのに、こんなに謝罪を述べられては設定もなにもない。
「いいですって本当に。農家になるための道を踏み出してるだけなので。」
「まだ諦めてなかったんか。」
と、くだらない会話を繰り広げていた。
そのとき。
パァンと大きな銃声が1つ。
それで会場は静かになった。
すると、男の大声が響き渡る。
「お前らァ!!全員座って荷物から手を離せ!!!さもなくば…わかるよなぁ?」
うーわ怖。
とりあえず大人しくバッグを置いて地面に座る。
もちろん、ベレッタ…愛銃は服の中にこっそり忍ばせてある。
とりあえず、あの男がテロの主犯格であることは間違いないだろう。
ではなぜテロなど…。
やはりこの国の政治などについてだろうか…そうなればグルッペンさんは殺されてしまう可能性もある。
「まず…この国の総統。出てきてもらおうか。」
やっぱり…!!
トントンさんは瞬きもせずに、密かに粛清剣を握りしめて相手を凝視していた。
…殺気あふれていてこっちの方が怖い。
グルッペンさんは迷わずにスタスタとロングコートをなびかせて男の元へと行く。
だが、周りは動かない。…これだからボンボンどもは。チキンばっかりで嫌になる。
すると男がまた大声で話し始める。
「いいか…??お前ら叫べよ?…ハイル・グルッペン!!」
は?
いきなりの出来事に皆様ばらつきながらハイル…と復唱。
まって、嫌な予感がする。
「これあれやな、察したわ。」
小声でつぶやくトントンさん。
「世界を統治するのは総統ただ1人っ!他国の下級民族達はここで始末する!!!」
あー、トントンさん、あれですねこれ。
「総統さんの熱狂的なファンですね。」
「せやな。」
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夜飴月/黄泉月(プロフ) - りんごさん» コメントありがとうございます。そろそろ終わりなので、私生活が安定してきたら更新します…!! (2019年10月8日 19時) (レス) id: 89c3a7601e (このIDを非表示/違反報告)
りんご - はじめまして!好きです(唐突な告白)気長に更新待ってます! (2019年9月29日 17時) (レス) id: ed57538bc3 (このIDを非表示/違反報告)
夜飴月/黄泉月(プロフ) - 月さん» コメントありがとうございます。私生活が忙しく、なかなか更新できずにすみません…。 (2019年5月25日 15時) (レス) id: 89c3a7601e (このIDを非表示/違反報告)
月 - 好きすぎる! (2019年5月23日 6時) (レス) id: 235ab58054 (このIDを非表示/違反報告)
有 - 夜飴月/黄泉月さん» はい!楽しみに待ってます! (2019年5月5日 0時) (レス) id: 4839ac1ad2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夜飴月/黄泉月 | 作成日時:2019年1月18日 20時