#１４ ページ14
「ロボロたちにはもう言ったん？」
「ああ。ロボロなんかは監視室でクソ怯えてたからな、すぐにカミングアウトしたぞ。」
笑いが響く。
あのホビット、例え女でも怖いもんは怖いんやな。
大先生なんか、後から聞いた話だと押し倒したとか。
あいつ、メンタル強すぎやろ。
「ほんまにこんなことしてええんか。国際問題にならへん？」
「これは彼女の望んだことだ。トントンだって半ば期待しているくせに。」
これ以上からかうと殺すぞグルッペン。
…たしかに、Aは可愛い。写真よりも実物の方がずっと可愛かった。
シッマからも優しい子だと話は聞いたし、礼儀正しいし、純粋。
しかし、だからこそ拒んでいる。拒むことが正義だと分かっていて悪に堕ちている。
「…彼女にバレるまで頑張ってみるわ、とりあえず。」
「トントンもすまんな。伝えてなかった奴らにはロボロ含め全員に伝えた。全面的にサポートしてくれるはずだぞ。」
紅茶を優雅にすするグルッペンには、まさに『計画通り』の一言があてはまった。
…ただ、意外にAは勘が鋭い。すぐに気づかれそうだ。
それに…。
「Aはここから出て行こうとしてないん？」
グルッペンはニヤリと笑みを浮かべる。
「何言ってる。絶対に『逃がさない』ぞ。」
部屋に戻ると、Aはぐったりしていた。
…大方、朝食をとっていないからだろう。
「A、大丈夫か？」
黙って首を振るAに可愛さを感じながらも、気持ちを抑えて言った。
「朝食と昼食は各自やで。ダイニングルームに行けばとれる。もし、『外』で食べたいなら外で食べて、どうぞ。
でも、夕食は７時にダイニングルーム。これは忘れたらあかん。グルッペンに殺される。」
「…はは。なんでここから出たいって言っているのに殺されなくちゃいけないんですかね。」
正論やな。
グルッペンは、国のためならどんな手段だって、どんな人だって使ってきた。
…今だって、そうだ。
【A】
トントンさんの顔がいきなり強張る。
おうおう、どうしたんですか。なんか言いましたっけ。
…つまり、朝食は今から自分で食べに行け、と。
まあなかなか夕飯も美味しかったし、味には十分期待できる。
というか、元いた国のご飯はクソまずかった。だから大抵のものは食えるだろう。
「A。」
「はい。」
沈黙からの呼びかけに、短い返事をしてトントンさんの方を見る。
「朝食一緒に行かへんか？」
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夜飴月／黄泉月(プロフ) - りんごさん» コメントありがとうございます。そろそろ終わりなので、私生活が安定してきたら更新します…！！ (2019年10月8日 19時) (
レス) id: 89c3a7601e (このIDを非表示/違反報告)
りんご - はじめまして！好きです(唐突な告白)気長に更新待ってます！ (2019年9月29日 17時) (レス) id: ed57538bc3 (このIDを非表示/違反報告)
夜飴月／黄泉月(プロフ) - 月さん» コメントありがとうございます。私生活が忙しく、なかなか更新できずにすみません…。 (2019年5月25日 15時) (レス) id: 89c3a7601e (このIDを非表示/違反報告)
月 - 好きすぎる！ (2019年5月23日 6時) (レス) id: 235ab58054 (このIDを非表示/違反報告)
有 - 夜飴月／黄泉月さん» はい！楽しみに待ってます！ (2019年5月5日 0時) (レス) id: 4839ac1ad2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夜飴月／黄泉月 | 作成日時：2019年1月18日 20時
