【w/r/w/r/d/!】誰が妹だこんちくしょう【毒素】

呑まれた ページ39

どうもご無沙汰しております、通りすがりの天の声です。

はてさて、今日は先日とは逆の状況、例の２人が帰ってこないらしいです。

Aは心配になり、酒で誤魔化すことにしたとか。

机の上にはビール缶が３つ。

そして、真っ赤な顔をして机に突っ伏しているA。

時計はまもなく夜中の１時を指す、そのときだった。


「ただいま。」


グルッペンとトントンのお帰りや！

…っと。

Aのことをいち早く見つけた２人は、机の上に散乱している缶でその場の状況を素早く理解する。


「こいつ…弱いくせに３缶も飲んだのかよ。」


グルッペンも驚く。

飲める人は飲める量だが、グルッペンの言い分によると、Aは弱いらしい。

ワイワイと２人で話し込んでいると、Aがムクッと顔を上げ、文字通りヘラっと笑う。


『あれえ、帰ってきたの？…遅い。』


「おん、ただいま。仕事やった。」


「ったく…。これ全部飲んだのか？」


静かに頷いてからおかえり、と口にする。

そして、ふらつく足で立ち上がり、２人に近づく。


『ねぇ…ぎゅーってして。…寂しかった。』


無意識の上目遣いにトントンはドギマギし、グルッペンは優しく抱きしめた。

しかし、グルッペンが離れるとトントンも抱きしめ、頭をいつものように撫でた。


『２人の匂い…好きだよ？落ち着くし。』


「お前…いくらなんでも甘えすぎやろ、胃に悪い。」


いつもとは違い、ほんのり耳を染めるトントン。

これだから童貞は…いえ、こっちの話です。


『あっつ…着替えよ。』


「お前…ここで脱いだら襲うからな…。」


さっきから理性を抑えっぱなしのグルッペンが、いつも以上に色気のある顔で唇を噛みしめる。


『so…？グルッペンって英語もできるんだね、すごい。』


「お前気ィたしかにな。《襲う》やで、《so》やない。しかも、グル氏そんなに英語得意じゃ…。」


グルッペンは無言で肯定した。

そして、やはりAには話もまともに通じない。

するとまた柔らかい笑みを浮かべる。


『でも、２人が帰ってきたからもう眠れるね。おやすみ。』


そう言うと、ソファに１人倒れ込んだ。

そしてすぐに寝息をたてる。

そんなAにため息を吐きながらも、２人はタオルをかけてやる。


「疲れてたんや、俺らを待っとって。」


「…まあ、仕事の癒しにはなったな。」


２人は笑いながらそう話した。


３人とも酒には逆らえないんやなあ…。


…それでは、また会う日まで。

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