38秒前 ページ12
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急遽任務が入ったらしい傑。
"『すぐに出ないといけないらしくて…送っていけないから今日はここに泊まっていって。服は私のを着ていいから』"
そう言われたのが1時間前。
落ち着かないし、明日の準備もしたい。
傑には悪いけど、男子寮から女子寮は歩いて5分もかからないし帰ろう。
「忘れ物は…ない。よし、」
メールだけ送って電気を消す。
そして部屋を出て、玄関の棚に置いてあったスペアキーで鍵をかけ女子寮へ向かう。
「あ、A」
その道中、出会ったのは悟。
お風呂上がりなのか髪が濡れていていつもと雰囲気が違う。
「…自販機?」
「そ。いちごオレ飲みたくて」
手に持ったいちごオレのパックをぷらぷらさせながら私に近づく悟に体が緊張する。
「傑んとこ?」
「うん。でも任務が入ったから行っちゃった」
「…へえ」
なぜか嬉しそうに口角をあげた悟はまた少し、私との距離を縮めた。
そして手を伸ばせば触れ合える距離で止まり、私を見下ろして「…じゃあ俺んとこ来る?」と。
「……は?」
「今日も傑とできなかったんだろ?」
「デリカシーの欠片もないよね」
まあその通りなんだけど。
「俺が色々教えてやるよ」
「えっ」
「無知だから怖いんだろ」
「い、いやいやいやいや」
「そんな遠慮すんなって」
「アンタ朝から変、私のこと抱きたいって言ってるみたいだよ。冗談はほどほ「抱きたい」…は、?」
一瞬、時が止まったように感じた。
…というか止まった。絶対に。
「さと「ていうのは冗談」…アンタ、本当にムカつく」
さっきの雰囲気はなんだったのか。
いつも通りの軽薄な笑みを浮かべて「傑の代わりに俺が送ってやるよ」と言って私の肩に腕を回した。
「硝子起きてたらオマエの部屋で桃鉄しようぜ」
「明日授業あるよ」
「は?んなもんより桃鉄だろ」
「いや、授業でしょ」
「うるせーな。口塞ぐぞ」
「こっわ」
………
……
…
結局朝の6時まで桃鉄して、3人揃って遅刻した。
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カケオレ(プロフ) - おめでとう夢主ちゃん。夏油と幸せになってくれ (7月22日 10時) (レス) @page50 id: 1b32a494c8 (このIDを非表示/違反報告)
加穂(プロフ) - 始めまして。こちらの作品読ませていただき夏油傑がもっと好きになりました!続きを読ませて頂きたいのですがパスワードを教えて頂いてもよろしいでしょうか? (7月15日 22時) (レス) @page50 id: 45a8770aec (このIDを非表示/違反報告)
モモ - こちらの作品読ませていただきました!すっごく面白かったです!パスワード作品も読んでみたいのですが、教えていただきたいです! (4月30日 23時) (レス) id: fdeb613541 (このIDを非表示/違反報告)
snow(プロフ) - こちらの作品を読んで傑が更に好きになりました!ありがとうございます😭好きすぎて何度も読み返してしまいました😭過去の作品も読んでみたいのですが、パス教えていただけないでしょうか?🙇♀️💦 (2023年2月26日 17時) (レス) id: df988bb267 (このIDを非表示/違反報告)
りんご - 天才…ありがとうございました…!! (2022年11月12日 23時) (レス) @page50 id: 6ec9f3ee23 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:七 | 作成日時:2021年5月3日 20時