４９秒前 ページ1
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「A、」
私を呼ぶ魅惑的な声。それは高校生とは思えないほどの色気を含み、私の鼓膜を揺らす。
それに加え、謎の前髪。
正直変だ。
「なに？」
「今夜の予定は？」
「今夜？あー…」
「何もない？」
「いや、何もないことは…ない」
「何があるんだい？」
「…見たいドラマがある」
「見たいドラマねぇ…」
隣の席に腰を下ろした男、
夏油傑はクラスメイトで私の恋人だ。
妖艶な笑みを浮かべる傑は私の頬に手を伸ばし、そっと触れた。それはもう悩ましく思えるほどにそっと。
「ほ、ほら…今話題になってるあのドラマ、」
「私はあまりテレビを見ないからね」
「…」
「提案なんだけど、そのドラマは録画したらどうかな」
「え、」
「明日は休みだろ？今夜は私と過ごそう」
「…ろ、録画の仕方わからないから」
「私が教えてあげるよ」
昼休みの教室でダダ漏れの色気を抑えようともしない姿に思わず目を逸らしてしまう。
こんな時に限ってあの2人は何をしてるんだ。
早く戻ってきて私を助けてくれ。
「…っそ、そういえば悟が今日傑に話があるって言ってたよ！」
「…悟が？」
ごめんよ悟。私にはオマエを犠牲にする方法しか浮かばなかったんだ。許してくれ。
「深刻そうな顔してたから大事な話だと思う…」
「…そう、」
「だからまた今度ね」
不服そうな傑から距離を取る為に立ち上がろうとした瞬間、誰かが私の肩を有り得ない力で掴んだ。
これは人じゃない。
人の力とは到底考えられない。
だってほら、肩からミシミシって……
「〜っ、！」
声にならない悲鳴とはまさにこのこと。
あまりの痛みに声が出ない。
「悟、Aの肩が砕ける」
私ではなく傑が立ち上がり、背後にいるであろう悟の腕を掴んだ。
「あ？あー、わりーな」
なんて適当に返す悟を振り返り睨んでやると、「なに睨んでんだよ、両乳潰すぞ。つーか俺、傑と話すことなんかねーけど」と。
私の背筋には冷や汗が伝った。
「私の恋人の胸を潰すのは頂けないが…」
そう言ってジト、と私を見つめる傑。
「悟は私と話すことなんてないらしいよ？」
私を見下ろす傑と、そんな私に笑いながらカメラを向ける悟。
そんな2人を前に私は為す術もなく俯いた。
…消えたい、なんて思った時。
「おい、クズ共」
唯一の救いが戻ってきた。
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カケオレ(プロフ) - おめでとう夢主ちゃん。夏油と幸せになってくれ (7月22日 10時) (
レス) @page50 id: 1b32a494c8 (このIDを非表示/違反報告)
加穂(プロフ) - 始めまして。こちらの作品読ませていただき夏油傑がもっと好きになりました！続きを読ませて頂きたいのですがパスワードを教えて頂いてもよろしいでしょうか？ (7月15日 22時) (レス) @page50 id: 45a8770aec (このIDを非表示/違反報告)
モモ - こちらの作品読ませていただきました！すっごく面白かったです！パスワード作品も読んでみたいのですが、教えていただきたいです！ (2023年4月30日 23時) (レス) id: fdeb613541 (このIDを非表示/違反報告)
snow(プロフ) - こちらの作品を読んで傑が更に好きになりました！ありがとうございます😭好きすぎて何度も読み返してしまいました😭過去の作品も読んでみたいのですが、パス教えていただけないでしょうか？🙇♀️💦 (2023年2月26日 17時) (レス) id: df988bb267 (このIDを非表示/違反報告)
りんご - 天才…ありがとうございました…！！ (2022年11月12日 23時) (レス) @page50 id: 6ec9f3ee23 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：七
| 作成日時：2021年5月3日 20時
