入れ替わる私達 ページ2
次に目が覚めたのは、保健室。しかも、そこにはベットで寝ている私の姿が見えた。驚いた私は恐る恐る鏡を見た。
「何…コレ…」
すると、鏡に写ったのは…いつも、おさげにしていた茶髪の髪ではなく、とてつもなく長い黒い髪、制服ではなく、黒いロングスカートに白いYシャツを着ていて黒いネクタイが付いている。
「気が付いた？」
私はその声が聞こえたほうを向いた。そこに居たのは、"私"だった。
「こうなったのはアンタ、自分のせいよ、私は責任取らないんだから。一生私の姿でいなさいよね〜」
「ありがとう。」
「………は？」
「入れ替わってくれて」
「なん…で？嫌じゃないの！？」
元々私は今の人生に飽きていた。
「今のアンタの姿は決まった人にしか見えない。たとえ、アンタが見えたとしてもアンタだとは誰も気づかないのよ！家族に会えないかもしれないのに」
「家族？私に家族なんて居ない。借金を私に残して逃げてったわ。」
「そう。ならアンタは、一生このままでも後悔しない？」
「えぇ。」
「なら私の仕事…これからのアンタの仕事について教えてあげるから…放課後、また」
「りょーかい」
「ねぇ、アンタの名前は？」
「…そっか！今日から君が私だもんね！」
「で？名前は？」
「……春川琴、ハ・ル・カ・ワ・コ・ト」
「琴…」
「あ！私はなんて呼ばれればいいの？」
「別に、名前なんて元々無いし…。自分で決めたら？」
「えー？そんなもんなの？」
「うん。」
「どうしよっかなー？」
「私は、アンタにならなきゃいけないから教室戻るわ」
「頑張ってねー」
名前…ねぇ。自分で自分の名前を決めるってそうそう無いからなぁ…
なんて考えていると、ある会話が聞こえてきた。
「ねぇ、知ってる？悩みがある人の手伝いをしてくれる七不思議があるんだって」
「知ってる！その七不思議って長い黒い髪が特徴なんでしょ？」
「そう！黒い髪だから、皆から、"黒神様"って呼ばれてるんだって〜」
「へ〜！そうなんだ！なんか…死神みたいな名前」
「でしょ？死神の孫だから〜っていう噂もあるらしいよ！」
黒神…。私も黒くて髪が長い姿になっちゃったし…反対にして、神黒とか…？
変ね…やめとこ
「早く放課後にならないかしら…」
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作者名：あずま | 作成日時：2018年11月7日 21時
