男主side ページ31
｢ヴァイオレット、子供相手に容赦無さ過ぎですよ全く……。刺激が強すぎです。｣
翔也はユリの目元に手を置いて見せないようにしていた
解放した真っ赤な顔で口をパクパクしてる坊やを見てクスリと笑う
｢ヴァイオレット。｣
｢もう何もしねーから。な？坊や……。｣
とうとう坊やは机に突っ伏して撃沈した
｢さて、後何か質問あるか？｣
｢じゃあ、僕もいいですか？｣
目の前にいる男もとい沖矢昴
｢先ほど色々なお仕事をされてると言ってましたが何をされてますか？見た所かなり稼いでいらっしゃいますね。｣
｢何でそう見える？｣
｢ヴァイオレットさんが身につけている時計、それはイギリスのブランド品で結構な値段をします。服やネックレスもかなり有名ブランド品です。｣
｢服は当たってるがこの腕時計、そんな価値があるのか？｣
｢えぇ。確か、100万超えだった気がします。｣
ホーっと自分の腕に付けている時計を見て関心した
｢昴、ちょっと腕を出せ。｣
昴は訝しげに腕をだした
自分は腕時計を外し昴の腕に付けた
｢！？｣
｢やる。代わりは幾らでもあるからな。
それに……価値がわかる奴に使ってもらった方がその時計は幸せだ。｣
｢しかしこれ……。｣
まだ何か言おうとする昴を無視した
｢貰ってください昴さん。｣
｢翔也さん……。｣
｢この人1度決めたら何が何でも譲らないので諦めて貰ってください。｣
｢……分かりました、有難く貰います。｣
｢あぁ。｣
｢ヴァイオレットさん。代わりは幾らでもあるってどういう事？｣
｢あー、その時計色んなパトロンから貰った１つだが……同じのが贈られんだよ。｣
｢その時計もそうで他にも服、アクセサリー、靴、バック等があって正直どうしようかと悩んでいっぱいっぱいなんです。｣
｢なる程、だからこうやってあげてるんですね。｣
｢へぇー。お兄さん優しいんだね。｣
｢飾っておくのも悪いと思ってやってるだけだ。｣
｢ダディ、ダディ。｣
服を引っ張って上目遣いをしてきた(本人は無自覚)ユリに微笑みながら膝元に乗せた
｢どうした？ユリ。｣
｢お腹空いた。お家に帰りたい。｣
｢もう1時になりますね。｣
昴はあげた腕時計を見ながら言った
｢そうだな、翔也俺の車持ってきてくれ。ヴォールクが案内してくれる筈だ。｣
車の鍵をくるくる回しながら渡した
｢安室……だっけ？会計いいか？｣
｢えぇ、どうぞ。｣
ユリを抱っこして会計を済ませ皆で外に出た
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