ジンside ページ21
「…………ぅ……。」
「兄貴!目が覚めましたかい!?」
ぼんやりと見えるシルエットだが声で直ぐに誰だが分かる
「ウオッカか……?」
だんだんと聡明に見えやっと視界がクリアになる
「ここは……」
「セーフティーハウスです。アジトに戻らず兄貴をこのまま連れてきやした。」
「そうか……。」
ゆっくりと上体を起こした
「それと、兄貴のコートのポケットからこんなモノが……。」
そう言ったウオッカの手に四つ折りにされた紙
ウオッカから受け取り四つ折りされた紙を広げるとそこには字が書かれていた
【“親愛なる弟へ”
まずは久しぶりと言っておこう。なにせ二十何年ぶりの再会だからね。
色々とお互い積もる話はあるだろうけど、ただ会っても全然面白くない。
だからちょっとした隠れんぼをしよう。
そう言えば……
隠れんぼと言えば小さい頃、決まってお前が鬼で俺が全然見つからないとお前は「何処なのー!にぃにー!!」って大号泣で探してたもんな〜。
いや〜あれは可愛かったな〜。その時の写真見せてやりたいなー。
……と、話が脱線したな。
すまんすまん。まっ今回も同じだ。俺が隠れてお前が見つける。俺が見つからなくても泣くなよー。もういい大人なんだから。
まぁ、困った時のヒントをやる。
《奇跡の予感》だ。
じゃ、また会える日まで。
“大好きな兄より”】
「奇跡の予感……か。」
ふっと笑みがこぼれた
「兄貴……?」
ウオッカは不思議そうに首を傾げる
「アジトに戻るぞ。準備しとけ。」
「へ、へい!」
部屋の奥に行ったウオッカ
ベットから出てハンガーに掛けてあったコートを取りバサッと羽織る
その拍子でパサっと何かが床に落ちた
拾ってみるとまた手紙
【あ、そうそう……早く見つけないとお前の帽子が酷い目に遭うからなー。帽子のために早く見つけてくれよー。】
「……ハァ兄さんも相変わらずだな。」
人をおちょくってくる姿を脳裏に浮かべクスリと笑った
「準備が出来やしたぜ!兄貴!」
「おう……。」
セーフティーハウスから出てポルシェに乗りアジトに向かった
「ウオッカ、至急調べてもんがある。」
「はい、わかりやした。」
「ぜってぇ見つけ出してやるよ。兄さん……。」
窓から見える景色を見てそっと呟いた
「見つけられるもんなら見つけてみろよ、可愛い可愛い泣き虫さん。」
耳元で嘲笑しながら言っている兄さんの声が聞こえたような気がした
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