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二十四話 ページ24

「……理由……」

一松は私と繋いでいる手をぎゅっと握る。

「……無理に言わなくても大丈夫……」

「いや、言う。」

大丈夫なのかな。なんて思うけど、本人がそれでいいなら大丈夫か。

「俺さ、Aのことが好き。」

「……え?」

「Aのことが好きで、キスしたんだよ……」

「…そ、うなんだ…」

「うん。」

私のことが好きで、キスしたんだ。

それを、私は突き放して。

なんてことをしてしまったんだ、私は。

「私も、好きだよ。一松のこと。だいすき。」

「マジか。」

一松は嬉しそうな顔もせず、ずっと無表情。

「…両思いだったんだ。」

「そうみたいだね。あの時、一松に話しかけて良かったよ。」

そうだよ。

全ての始まりはあの時からなんだ。



あの時、一松と出会えてよかった。

一松を好きになってよかった。

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作者名:みずき@佐香智久くんlove | 作成日時:2016年8月4日 21時

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