二十三話 ページ23
それからというもの
いつも一緒にいた一松とは話さなくなった。
お互い気まずくて。
でも、話したい。
矛盾してるけど。
放課後の教室
一人で窓の向こうを見つめる。
「話したいよ、一松………」
ボソッと呟いた。その瞬間
ガラッと扉が開く音がした。
扉に目をやると、一松が立っていた。
そして、ズカズカと此方に向かってくる。
「A………」
「……一松…」
此方に気づいた一松は、少し顔を歪ませた。
「あのときはごめん。」
「………一松………」
「本当、ごめん。」
いきなり謝られたことに驚く。
一松は深く頭を下げていて、私は戸惑ってしまう。
「頭、上げて?私は大丈夫。」
ただ、トト子ちゃんが好きって言ってたから、なんで私にしたんだ。って思っただけ。
「私も悪かった。ごめん。」
「……うん。」
一松は頭を上げ、少しだけ笑った。
「これは、仲直り。で良いのかな?」
「仲直りの握手。」
一松は手を出した。
私は一松の手を握る。
「仲直りしたね!ふふっ」
「……良かった。あ、それで、キスした理由……」
そうだ。私も何故したのか、その理由が知りたい。
一松の目を真剣に見つめた。
すると、彼は話し始めた。
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作者名:みずき@佐香智久くんlove | 作成日時:2016年8月4日 21時