二話 ページ2
彼も自己紹介をしてくれた。
名前は一松くん。
どうやら、同じクラスのようだ。
それに気づかなかった私。
「本当にごめんなさい!」
「ん…………」
どうして気づかなかったんだ。
「べつに、いいよ……」
そう言って、少しだけ笑った一松くんに
ドキッとした。
「あ、ありがと…」
これが、一松くんに恋をした瞬間だったなんて
私はまだ知らない。
それからは教室でお話をしたり、
一緒にご飯を食べたり、
一松くんが隣にいるだけで、とても楽しかった。
そんなある日
休み時間、一松くんがいきなり
「Aってさ、好きな人いる?」
「好きな人……?うーん、いないかな」
一松くんを見るとドキッとしたりだけど。
本人は顔を真っ赤にして
「俺は、いるんだけど。」
そう言った。
「あ、そうなの?」
「うん。」
何でだろう。
胸が痛い。
ぎゅっと締め付けられているような
「誰、なの?好きな人………」
胸に手を当て、私は深呼吸をする。
「俺の好きな人はね………
隣のクラスのトト子ちゃん」
その瞬間、私は絶望に追いやられた。
トト子ちゃん…………弱井さんって、とても美人で…
勝ち目なんて、ないじゃんか。
「そっか、頑張ってね」
そう言うと、私は屋上へ向かった。
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作者名:みずき@佐香智久くんlove | 作成日時:2016年8月4日 21時