甘いもの ページ6
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「……?!!」
真っ白になっていく頭の中で、その事実を捉える。角度を変えて唇を重ねていると、舌が侵入してきた。
その柔らかい感触のみが私の口内を満たす。
「はあ、っ……」
「………甘、」
この人、行動に脈略が無さすぎだ。口調悪くなったと思えば敬語になって。いきなりこんなキスをしてくるなんて。
そんなことを思いつつ流されている私もどうなのだろう。
「い、……るまさん、」
唇の端から声を出すものの塞がれる。まるで「黙れ」と牽制するかのように。
入間さんのことは好きだけれど、こんな風にいきなりのキス、心臓に悪すぎる。
「駄犬だが……その方が躾け甲斐がある」
「い、……犬、って」
一度離してぺろ、と唇を舐めると妖艶に口元を歪めた。
ぐっと胸板を押そうとするものの腰をがっちりとホールドされていて、逃げられない。
「は、犬が飼い主の断りなしに逃げようとしてんじゃねえよ、しょっぴくぞコラ」
首を傾げると入間さんは今度は私の額に口付けた。くすぐったさに声が漏れる。
「…ふ、ぁ……いるまさ、」
「……銃兎だっての、……は、っ、……何回言えば覚えるんだ?…キャパ小さいのかよ」
まただ。悪態つきながら唇を重ねる。込み上げてきた愛しさに乗せて名前を呼んだ。
銃兎さん、銃兎さん。好きです。
「銃兎っ……さん」
「…………ッ」
銃兎さんの頬に手を添える。ヒヤリとしたのか銃兎さんは、びくっと肩を弾ませた。
目が合って、思わずだらしなく頬が緩む。守ってくれてありがとう。
手に伝うそのきめ細かい手触りと紅潮した頬の熱に、私だけじゃなくて銃兎さんもドキドキしてくれてるんだと出過ぎたことを思う。
熱に浮かされてぼんやりとした頭で。
「煽りやがって、…クソガキ……っ」
銃兎さんは、余裕のなさそうな表情でそう言った。
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レイ(プロフ) - 五月雨さん» まじですか.......嬉しい.....大丈夫ですかね、こんなに私褒めてもらってて、待ったなしなんですけど、うれしすぎてどうしよう禿げます( ; ; )これからも五月雨さんをギュンギュンさせられるように更新頑張りたいです!ただこの先が難しくて(汗 バネにするぞ....! (2019年8月18日 11時) (レス) id: ddb4bf0a2e (このIDを非表示/違反報告)
五月雨 - 尊すぎて死ぬかと思いました…… キュンキュン通り越してギュンギュンしながら読んでます← 心の底からしょっぴかれてぇな………と痛感しました() 更新頑張ってください^^ (2019年8月14日 8時) (レス) id: fafc33f615 (このIDを非表示/違反報告)
レイ(プロフ) - アネリアさん» コメントありがとうございます......!嬉しすぎて固まりました......( ; ; )まさか自分の作品がこんなにも刺さってくれていたなんて、書き手冥利に尽きます。好きすぎると言ってくださって嬉しかったです!変だなんて、神作品だなんてとんでもない。大好きです。 (2019年8月10日 11時) (レス) id: ddb4bf0a2e (このIDを非表示/違反報告)
アネリア - レイさん» 唐突な変なコメント&長文 で、申し訳無いです・・・・m(_ _)m (2019年4月29日 1時) (レス) id: e38d234ea8 (このIDを非表示/違反報告)
アネリア - レイさん» 銃兎さんが、大好きすぎて、銃兎さんへの妄想が日課な状態な私ですが、こんなに素晴らしい、好きすぎる作品を見つけてすごく幸せです!神作品をありがとうございました!(●´ω`●)続き、楽しみに待ってます!! (2019年4月29日 1時) (レス) id: e38d234ea8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:レイ | 作成日時:2019年2月1日 0時