103.約束 ページ3
Aside
『………』
目を覚ますと、あたりは真っ暗だった。
目を開けたはずなのにまだ瞼を閉じてるような感覚に陥る。
真っ黒なこの世界はまるで私の心の中を映し出してるようで、暗闇なのに怖くも何ともなかった。
ふらふらな身体を起こし、ベットから這い出る。
リビングへ繋がる引き戸を開けると豆球の明かりが灯ってるだけで、室内は静まりかえっていた。
私以外誰もいない。
この静けさが辛さの根源だったはずなのに、
もうなんとも思わない。なんの感情もわかない。
ただ、ただ頬を涙が伝うだけ。
あれ、私、なんでないてるんだろ、
それに…っ、くるしい、
はぁっ、くるしいっ、。くるしいよ…、
こころが、締め付けられて、くるしくて、つらくて、
胸を押さえて前屈みになりながら歩いた。
はやく、はやく、はやくいかなきゃ、
たつやに、ぎゅーさせてもらって、なおしてもらうの、
はやく、あいにいかなきゃ、
いつもみたいに、この、くるしいの、とめてもらうんだ
その思いで一心不乱にリビングを素通りしようとした時
パサッって何かを落ちる音がして、後ろを振り返る。
それ抱き上げると、とたんに彼の匂いに包まれた。
『…っ、、！』
それはあの日佐久間にもらったブランケット。
その匂いを嗅ぐだけで、正気に戻ってしまったのは、
私が彼を好きすぎるせいなのか、はたまた彼が私を引き止めてくれたのか。
『…わたし、いまどこ、いこうとして、…』
考えるだけで体が震える、私今、どこに向かうとおうと、してたの、。
これじゃあ、あの人の思い通りじゃない。
『…さくま、さくま、』
…怖いよ、助けて、
ブランケットを抱きしめながら恋しくてたまらないその名前を何度も呼んだ。
そんなことしたって貴方はいないのに
戻ってこないのに
私はもう必要ないのに
泣きながら声が枯れるまでその名前を呼び続けた。
ブランケットを握りながら、あの日の会話を思い出す。
そういえば、アニメを見る約束の日…明日だ。
佐久間おぼえてる、かな、？
きっと忘れてるよね…。
あーあ、一緒に過ごしたかったなぁ…、。
佐久間の好きなものもっと知りたかった。
でも、……もし覚えてくれてたら…、？
そう考える私は馬鹿なのか相当諦めが悪いらしい。
せめて、最後に貴方の笑った顔が見たい。
貴方に抱きしめてもらいたい。
私ってわがままかな…、？
.
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真由(プロフ) - 更新再開してくださって嬉しいです！！めっちゃ楽しみにしてます！無理しないでいいのでゆっくり待ってます！ (2022年5月16日 10時) (
レス) @page50 id: db608c2c8e (このIDを非表示/違反報告)
あんぱん(プロフ) - 更新再開してくださって本当に本当に嬉しいです！！続きが読めることが幸せでしかないです。これからも作者さんのペースで頑張ってください！ (2022年5月16日 4時) (レス) @page50 id: cf1a17e7dd (このIDを非表示/違反報告)
イブ(プロフ) - 更新ありがとうございます。又楽しみに待ってます。 (2022年5月15日 9時) (レス) @page49 id: d7ecb85cf0 (このIDを非表示/違反報告)
音彩(プロフ) - 更新して頂き有難うございます！私が１番楽しみにしている作品なので、また物語が進んで嬉しいです！お忙しいのかと思いますが、少しずつでいいのでいつか完結してこの物語を読み切る日を楽しみにしています！応援しています！ (2022年5月14日 23時) (レス) @page49 id: 81d02fafe5 (このIDを非表示/違反報告)
kaaa54(プロフ) - 一気に読んでしまいました・・・更新楽しみにしています (2022年4月15日 21時) (レス) @page48 id: fc5b39cb10 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：くまくん
| 作成日時：2021年10月2日 9時
