無機質へ色彩という祝福を─── (ページ9)

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親子の日常(ポケマスEX) ページ9

イッシュからかなり遠い土地、パシオ

その地にゲーチスとAは居た。

ゲ「サザンドラ、間違っても…間違っても

Aを傷付けることだけは、

ワタクシでもゆるしませんからね！？」

貴「……」

サザンドラを睨んでいる父ゲーチスを気にすることなく、

現在バディーとなっているサザンドラのブラッシングを行う。

貴「…お父様、外歩きたいです。」
ゲ「ふむ…天気も良いですし、御一緒しましょう。ねぇ、キュレム？」

ブラッシングを一通り終えたらしいAはそう主張する。

外を知らなかったAは外の世界を知り、

海を気に入ったようで、天気が良い時は

海岸線の散歩に出るようになった。

ゲーチスも共にすることが増え、

度々見掛けられるようになったのは最近の話である。

それと同時に、ゲーチスの娘であるという事実も、

知れ渡ることとなった。

似ているけど似てないと言われたのは、

果たして何度あっただろうか…

貴「……」
ゲ「！…今日は、甘えん坊さんですか？」

使い物にならない右手を控えめに握るA、

愛くるしさを感じていると聞き覚えのある声が耳に入ってきた。

N「Aに父さんじゃないか！」
ゲ「……どこから沸いて出たのです、N。」
貴「こんにちは…N様。」

ゲーチスの背後からNが飛び出してきた。

突然の出現に機嫌が下がり、顔をしかめるゲーチスは、
AとNの間に立つような位置で振り返る。

N「僕も一緒に行きたいなぁ…だめかい？」

ゲ「一体どこから話を聞いていたのですか……？

A…これは放っておくに限ります。

ろくなことになりません。」

貴「……………………。」

ついて行きたいN、Nを置いていきたい父

その間に立たされたAは、

無表情ながらも困惑した後、

放心状態に陥ってしまったのであった。