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伝わっている(USUM・RR団編) ページ7

無名のトレーナーを前に白き英雄は倒れ、

その瞬間にゲーチスの敗北は確実となった。

ゲ「……どういうことだ?
このワタクシはプラズマ団を作り上げ、世界を我がものとした完全な支配者だぞッ!?」

取り乱すゲーチスにリーリエは真実を突き付ける

リ「……あなたの負けです!かあさまに会わせてください!」

ゲ「認めるか……!ありえるか……!」

頭に血が登ったゲーチスはリーリエに迫り、手を振り上げた。





貴「……。」

ゲーチスのすぐ後ろで、何物にも染まらない無機質の瞳が見つめている。

それに気付いたゲーチスの手は寸でのところで止まった。


ゲ「………、

愛する娘と近い歳の子供に手を上げようとするとは…ワタクシ自身もまだまだですね。」

興が削げました…好きになさい。とゲーチスは手を下ろし、リーリエに背を向けた。

リ「…?」
ゲ「A、この方々に一体何を聞こうとしているのですか?」
貴「……」

Aの普段とは違う視線に、ゲーチスは多くを語らぬAに代わり助け舟を出した。

普段のゲーチスならまずしないことだろう。

それも、Aがヒトに興味を示したという珍事によるほんの少しの好奇心が勝った結果なのだが…。

リ「?」
貴「お母様、て…どんな人?」

ゲ「!…A、」

貴「私には…母が居ないのです。
でも、父が愛してくれるのです。」
リ「……」

「相変わらず、深淵のような娘愛をお持ちで…」

ゲ「…!」
貴「…?」

いつの間にかその空間にはアクロマが潜んでいた。相も変わらず暑苦しそうな格好である

(本人曰く冷却装置付きで涼しいそうだが…)

ゲーチス「こちらの世界のアクロマですか。こちらに友好的…ではなさそうですね。」

アク「わたくしはゲーチスがキライ!ただそれだけですっ!…まぁこちらのAさんとは良い関係を構築しておりますが。」

ゲ「なっ!?」

叫びと共に、ゲーチスは姿を消した。

突然の消失にAは辺りを見渡す…

貴「お父様……?」
アク「大丈夫ですよ、
アクロママシーン1102号を使って次元のチャンネルを合わせ、元の世界に戻した…それだけです!勿論、アナタにも帰って頂かなくてはなりません!」
貴「…」

帰れば、父がいる。

母は居ない…いないけれど、充分な程に…

ゲ「A─」

充分な程に、伝わっている。

何とも形容し難い何かを覚えた時、父ゲーチスが元の世界に帰された時と同じように時空が歪み、Aは引き込まれていった。

帰還(USUM・RR団編)終→←邪魔(USUM・RR団編)



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作者名:イヴ | 作成日時:2024年3月7日 12時

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