親子の内緒話2(BW) ページ23
迷いに迷った結果、出した解は…
ゲ「…今は、まだ知る時ではありません。」
貴「……」
問題を先延ばしとすることを選んだ。
ゲ「しかし、良い兆候です…
自分の気持ちさえも気に留めなかったお前が、
自分と向き合おうとする姿を見せてくれたのですから。」
…まだ、思い出さないで欲しい。
知る事で得る恐怖をゲーチスは知っていた。
凄惨な光景、無機質な空間、
娘の命と引き換えに失った最愛の人、
生き延びた代償に感情を失った娘、
そして、無知で愚かだったかつての己…
その全てを目の当たりにした時の恐怖…
それらをAに知られる事を恐れたのだ。
ゲ「A、来なさい。」
貴「…失礼します。」
ゲーチスに促されるままにベッドに上がり、懐に潜り込むAを抱き寄せる。
ゲ「良いですか、A…アナタはまだ若い。
知らない事の方が多く、一度に全てを知るには幼過ぎる。
だから…今は知らぬままで良いのです。
時を重ねて行く毎にアナタは
少しずつ経験を積み、学びを得て行く。
時には知らない方が幸せだったと思う事も
学ぶ事になるでしょう…
ただし、今はその時では無いのです。」
貴「……」
それは娘を想い投げ掛けた言葉か、
或いは真実を見せたくない己への言い訳か…
隠された真実は未だ誰にも分からない。
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作者名:イヴ | 作成日時:2024年3月7日 12時