ペンデュラム(原作BWへ) ページ13
城を出て、近くのカゴメタウンまで降りた。
少女の赴くままに進んだ先は、洞窟への入口だった。
ゲ「カゴメタウンにこんな場所があったとは……それに雪なんて。」
貴「私の父は、いずれここを訪れます。」
周囲を見渡しているといつの間にか正面に向き合っているAと目が合う。
貴「お父様は、何かを始めようとしています…ここで。」
ゲ「それは…何でしょうか。」
貴「何れ、分かると思います。
覚えていてください。
私は、父が父であればそれで良いのです…。
私を、私が私であれば良いとした父も、
どのような形であれ、在るがままであれば…
そう願っています…」
その手から何かを渡される。
貴「アナタにお渡しします。」
ゲ「?」
手に渡されたのは赤い鉱石が輝くペンデュラム…
貴「夢だと嗤うことも出来ます。
しかし、私はアナタとの出会いに感謝します。」
ゲ「これは……」
貴「アナタはどうか、叶えてください。
いつの時代、いつの世界においても、
夢が叶うことを願っています。」
正面を向いたまま、後ろへ下がっていくA…
その背後には、1面の闇の広がる洞窟への入口
貴「またいつか、何処かでお会い出来ることを願っています。
それでは御機嫌よう…
…別世界の、お父様。」
ゲ「ぇ…」
ゲーチスの反応より先に駆け出したAは、洞窟の闇に紛れて行く。
伸ばしたはずの手は空を切り、何も掴めぬまま、
ただただ広がる冷徹な闇の先をゲーチスは見つめる他無かった。
ガーネット: 欧米では友と別れる時には「再会の約束」の意味をこめて贈りあう習慣があります。また、贈り物として受け取ると幸福が訪れるとの言い伝えもあるのだとか…
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作者名:イヴ | 作成日時:2024年3月7日 12時