265話 ページ7
．
ある答えにたどり着く瞬前。
まるで、その場だけが秒針を止めていたかの様に
錯覚した空間は、ふいに途切れて動きだした。
｢……ジョーカー｣
『___。』
顔を伏せたまま、長い長い空白を経て、
パプリカはようやく口を開く。
しかし、応答するべく絞り出した声は
可哀想なほどに怯臆に塗れていた。
その姿は、場違いながらも年相応のような。
前後不覚に陥った、迷い子の様相を思わせる。
｢…答えが、出せません。｣
御しきれない感情に喉を震わせながら、
王女の仮面がはがされた少女は
頼りなげに胸元を握った。
｢あなたの言葉が嬉しくて、甘えてしまいそうになる…
でも…
でも、駄目なんです。｣
言いながらパプリカは首を振る。
それはまるで、自分自身に｢逃げてはいけない｣と
言い聞かせるような仕草だった。
ジョーカーが何を言わずとも、察せるだろう
先ほどパプリカは、｢答えが出せない｣といった。
それはけして、こちらの申し出を断ったのではなく、
それ自体が、さんざん自問自答を繰り返した末に
吐き出した、 "どっちつかずの答え"だったのだと。
｢私は、1人しかいない…
たとえお飾りの王女だとしても、
そこにいてもいなくても変わらない、
そんな些細な存在だとしても…、
逃げ場なんて、どこにもないんです。｣
1度タガの外れた口許は、
もう簡単に閉じることなど出来なかった。
パプリカは、どこか諦念にも近しい面持ちで、
内心に秘めた心情を語りだす
｢仮に逃げ場があっても、
私には"逃げる理由"がない…
立ち向かうのが怖いから、
今ある大切なものを失いたくないから。
そんな弱音は……何にも通用しない｣
『…だから、我慢してる？』
｢そ、れは……してませ、……いえ、｣
ジョーカーが思わずといった調子で尋ねれば、
打てば響くかのように、
不安感に駆られた少女の本心が顔を出した。
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ひよこ - ストーリーを見て凄く面白かったです！続編を待っています！ (12月15日 20時) (
レス) id: 5fce4591d4 (このIDを非表示/違反報告)
カフェオレ。(プロフ) - 零さん» 返信に間が空いてしまい申し訳ありません！ フェニの話はほんとに数年前書きなぐった記憶しかなく、覚えていてくださったばかりか感想のお声まで…！有難い限りです！ううむご期待に添いたい…フェニの番外編新たに考えてみようかな…コメントありがとうございました！ (6月23日 1時) (レス) id: 976745b1c2 (このIDを非表示/違反報告)
零(プロフ) - とても面白いです!フェニックスとの絡みが好きなので毎日ワクワクしながら読み返してます!応援しています! (6月15日 16時) (レス) @page8 id: 730adcd2c0 (このIDを非表示/違反報告)
カフェオレ。(プロフ) - 神楽さん» 返信遅れに遅れてしまって申し訳ございません!!無礼ながらに2週間以上経過した今気がついた次第でございます！！はあん優しい…文章書けない集中力もない切腹しか残されてねーよコレはわわ…な駄目人間には暖かすぎて涙が溢れます…！コメントありがとうございました！ (2023年3月20日 4時) (レス) id: 976745b1c2 (このIDを非表示/違反報告)
神楽 - 面白いです!!何回も読み返しています!!好きな作品です!!此からも頑張ってください!!応援してます!! (2023年3月2日 21時) (レス) @page4 id: 17798d130b (このIDを非表示/違反報告)
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