俺を恨む君へ‐２‐【カ○○○】【男主】

４３話 ページ14

*シンタローside





…あの日の光景が目に残ってしまい、今日学校に来ようかどうしようか酷く迷った。


もし、万が一、アレが現実だったとしたら、オレはこれからどうすればいいのだろうか。
考えただけで何かが溢れ出て来そうになる。






ふと、視線を上げる。


廊下の向こう側から駆けてくるAの姿。






ｼﾝ｢…っ？！」




彼奴もオレに気付いたようで、目を見開く。
反射的に声を掛けようとした……






Aの小さなつぶやきが聞こえる前までは。









「【目を移す】」









**



ｼﾝ｢…？」



今、一瞬オレは何をしようとしたのだろうか。
そもそも一瞬だっただろうか？

……まあいい。




手から滑り落ちていたバックを拾い上げ、教室へと向かう。



にしても、Aは元気にしているだろうか。
『夏休み前』から、ずっと連絡もなかったからな。
…一回くらい遊びに来てもいいじゃねえか。長い付き合いなのに。
課題終わってないとか言って泣きついてくるんじゃねえだろうな。




けれど、教室の中にはAも、アヤノも居なかった。



こんな事初めてだな。今まではオレが来る前に二人ともいるか、もしくはAはオレと一緒に来るかなのに。







結局、SHLが始まってもA達が来ることはなかった。

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