愛ノ歌【BL】 (ページ9)

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何も見えず、何も聞こえないページ9

「流歌、準備できたか？」

「うん…できた｣

「よし、いくか」

「え、ちょっと、なに？引っ張らな……っ！？」

奏汰に準備が出来たかを聞かれ、荷物をもって立ち上がると、音波に腕を引っ張られた

いきなり引っ張られ驚いていると、今度は目の前が真っ暗になり、音楽が聞こえ始める

多分奏汰に目隠しと、ヘッドホンをされたんだと思う

何も聞こえず

何も見えないまま音波に引っ張られる

「ねぇ！！はずして！やだ、怖い！！はずしてよ！！！」

「奏汰、流歌をおんぶしてやったらどうだ？いつか転けそうで怖いのだが」

「や、こわ…やだ…」

音波が何か言っている気がしたけど、音楽で聞き取りずらくて、何を言ってるかわからない

怖くて怖くて仕方なかった僕は
足の力がぬけ、床に座り込んだ

「や……なんで、こわい……奏汰、助け……ひぅっ！？」

こわい、こわいと呟いていると
突然頭を撫でられて、少しだけヘッドホンをずらされて、耳元で囁かれた

「俺はここにいる、安心しろ」

「そう……た……？」

奏汰にギュッとされて、奏汰におんぶされる

途端に奏汰の匂いに包まれて、安心感が湧いてきた
けど、それと同時に不安感も湧いてきた

…僕これから何されるんだろ…
…音波と奏汰に、なにかしちゃったかな…
…僕、悪いことしたのかな…

そんなことを考えていると、徐々に涙が溢れてきた

「ん…ふ…」

「流歌…？」

「ごめ…そうた…ごめ…なさい……おねがい、捨てないで…」

「え？」

ヘッドホンを取られて、突然外の音が聞こえ始めてビクッとする

「ひっ……やだ……どこ？……ねぇ！そうたぁ！！」

「流歌！」

「っ奏汰…？」

奏汰の名前を叫ぶと、ギュッと抱きしめて頭を撫でられた
目隠ししてるから分からないけど多分奏汰だったと思う

「奏汰、ゆるして……ごめ、ごめん……なんでもするから…壊していいから…おねがい、僕を捨てないで…」

途中から必死で何を言ってるか分からなかった

唯一わかるのは奏汰が抱きしめてくれてること

そして、ひたすら大丈夫だからと言われて頭を撫でられた事だった