いっぱい縛り付けても ページ16
「俺は、ちゃんとお前を見てる。1番可愛いと思ってる。1番愛しく思ってる。だから、そんなことはやめろ」
「どうして?今までそんなこと1っつも言ってくれなかったよね?なんで今更いいだすの」
「…それは…」
「僕が死のうとしたからって咄嗟に言わなきゃって思ったんでしょ?心にも無いことを」
「…そんなこと…」
「あるでしょ?ほんと最低なリーダー」
心にも無いことを言ってるのは僕の方だった
最低だなんて思ってない
本当は可愛いって、愛しいって言われて凄く嬉しかった
でも、どうしても素直になれないで、思ってもいないことを口走る
止めようとしても、どうしても止まらない口は
さらに最悪な事を口走る
「…お前なんか消えちゃえ…」
そう呟いたとき、奏汰の目の色が変わった
「…奏汰…?…ひっ、イ!?」
あきらかな奏汰の表情の変化に、つい名前を呼んだ時、無理矢理ベッドにうつ伏せで倒された
僕の腕をどっかから出した紐で縛りあげる
「奏汰!?ねぇ、なにして」
「本当は俺に消えろなんて思ってないんだろ?」
「そ、そんなこと!」
「流歌は素直じゃ無いもんな」
そう言われた後、仰向けにされて、奏汰の顔がよく見えるようになる
見たこともないようなくらい怖い顔をしていた
「俺がお前に好きだって言わなかった理由、知りたいか?」
「…うん」
怒った表情をしていても、優しく声をかける奏汰
いつの間にか怯えは無くなっていた
「っ…あ…」
「俺自身が、好きだとわかると、こういうことをしたくなるからだ」
「ふっ、ぁぁあっ!?」
そう僕に伝えると、首筋に噛み付いてくる
何度もガジガジと噛み付いて、僕の首から軽く血が出てくる
「あ…はっ…そ、た…んあっ!」
首の次は鎖骨に噛みつかれて段々と意識がボーっとし始めたとき
首に違和感を覚えた
けど、なにと聞く前にいつの間に付けられていた首輪に繋がれた鎖を引かれる
「俺…好きになった奴を…縛り付けたくなるんだ。だから、お前をそんな風にはしたくなかったから……」
鎖を引いて僕の顔と奏汰の顔を近づけながら、奏汰はそういった
「…っは…奏汰…」
奏汰の苦しそうな顔を見て、僕は安心させるようにいった
「…いいよ…僕なら…いっぱい縛られても…」
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作者名:ゆーた | 作成日時:2016年12月31日 14時